「WAN基金コロナ禍対策女性連帯プロジェクト」では、2020年8月3日、助成第13号として 認定NPO法人CPAO(しーぱお)に、助成金を振り込みました。

CPAOは、2013年から活動を始めている団体です。
活動のきっかけとなった事件があります。2013年5月24日、「最後におなかいっぱい食べさせられなくて、ごめんね。」といった遺書のようなメモを残し、大阪市北区で発見された母子の変死事件でした。この事件は心
中の可能性が高いとされていますが、現在、心中は「最悪の虐待」とも言われています。
これをシングルマザーの団体設立者、徳丸ゆき子さんは他人事だとは思えませんでした。自分の孤育ての連続性の中にこの事件を思い、翌日から「悲劇を繰り返したくない」と子ども支援関係者とともに活動を始めました。

まず取り組んだシングルマザーへの聞き取り調査や夜回りなどから、数多くの精神的にも経済的にも厳しい状況に置かれている孤立した親子らと出会いました。

子どもが巻き込まれる痛ましい餓死事件から始まった活動、「まずは、ごはん!」を中心に、子ども一人ひとりのニーズに応えながら活動を展開しています。

今回のコロナ禍のなかで、従来経済的・精神的に厳しい状況にある親子はますます、孤立化を深めていきがちです。
CPAO(しーぱお)では、経済的・精神的に厳しい状況に置かれて孤立しがちな親子を対象として、週2回、団体の里山活動拠点(和歌山県橋本市)で収穫した野菜や、心ある支援者からいただいた米や肉、魚などの食材を中心としてそこから惣菜を作り、それらを各家庭を訪問してお届けしています。
その日は調理という家事を1つしなくていいぐらいの内容をお届けすることで、空いた時間を子どもたちのために使っていただいたり、日頃の疲れを癒す時間としてもらえるようになります。

CPAO(しーぱお)では、コロナ禍以前は、集合型の活動(子ども食堂など)も行っておりましたが、この機に個別訪問型に移行したことで、より対象者のニーズにも応えることができています。
訪問時にはお母さんの相談に乗るスタッフ、子どもと遊ぶスタッフなどと担当を分け、丁寧に対応することで、関係性を深め、そこからさらに週末や長期休み期間に里山活動拠点を中心としたお泊り会や遠足などにも招待して、生活に足りていないことや、抱えている問題を確認し、それぞれに対応したプログラムを実施しています。
「子どもは親だけで育てなくてもいいんだよ」というメッセージを体現しながら、子育ちの社会化を進めておられます。

このような活動に対して、WAN基金運営委員会は敬意をもって助成を決定し、迅速に助成金交付を行いました。

WAN基金では、皆様からいただいた寄付を全額、次々にこのような「しんどい女性を支援する」女性活動団体に対して、 助成を進めています。