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「気軽」に読めるＢＬ『ファインダーの標的』　　やまねあやの

2010.09.19 Sun

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無性にBLが読みたい、けどこてこての恋愛話を読むのはちょっとしんどい…そんなときにおすすめしたいのが『ファインダーの標的』だ。報道カメラマン志望の高羽と裏社会の実力者麻見の二人を中心に展開するストーリーは、わかりやすい構成とテンポの良さ、綺麗な絵のおかげでさくさくと読めてしまう。

『標的』は第1巻で、シリーズはその後『檻』『隻翼』『虜囚』『真実』と続いていく。全巻を通して共通しているのは、登場人物の心情がさほど丹念に描かれていないということ（もちろん良い意味で！）。何かと事件に巻き込まれる高羽を麻見が救う、そんなことの繰り返しの中で、次第に魅かれあっていく様が自然と伝わってくるから不思議だ。変に登場人物の「自分語り」がない分、自分の想像力で勝手に補えるだけの余白があるのかもしれない。ストーリーをシンプルに提示する豪快さがなんとも爽快な一冊だ。（bochan）

カテゴリー：わたしのイチオシ / bochan