わたしは、大学の学習支援教育開発センターでラーニング・アシスタント(以下LA)をしています。
このセンターには、LAが書いた学生向け記事を発行するフリーペーパーがあります。主に、LAの専門性を活かした記事や、学習や研究活動に関する記事を載せるものですが、特に規定はありませんでした。

わたしは、ジェンダー論を専門にしていることもあり、昨今、話題になっている緊急避妊薬について記事を書きました(添付資料参照)。
しかし、センターから「掲載できない」と言われました。
明確な理由を求めましたが、わたしに対してセンターのトップから直接説明はなく、複数のスタッフが間に入り掲載出来ない「口実」を伝えてくるため、どのような理由で掲載が見送りになったのかはっきりしません。
「性の話だからダメなんですか?」と聞くと、「違う」と回答があるものの、「センターの方向性と異なる」、「これまでのフリーペーパーはあたりさわりのない〈のほほんとした〉記事を扱ってきた」、「記事に対してクレームがあった場合対応できない、リスク回避のため」などの説明が繰り返されだけです。
しかし結局、どの理由も辿っていけば「性に関するテーマだから」だと思えてなりません。それは、大学組織の根底には、学生のセクシュアリティをタブー視する保守性があるからではないかと考えられます。

わたしは、今回の記事が学生に対して何かを考えるきっかけになることを望みました。
しかし、大学には未だ乗り越えることができない保守性の壁があることを知りました。そのような保守性のもと、緊急避妊薬に関するわたしの記事は組織の力で葬られてしまいました。