2021年12月ちくま文庫の新刊『新編 おんなの戦後史』は、女性史研究の先駆者もろさわようこさんの代表作です。文庫版まえがき、文庫版あとがきは96歳著者による書き下ろしで、斎藤真理子さんと、編者による、解説2本ももろさわさんへの思いが詰まっています。
・内容紹介
フェミニズムを知るために必読。女性史研究先駆者の代表作を新編集。底辺の視点からの女性民衆史。「おんなの戦後史」の項では戦時中に女性たちが進んで戦争協力をしてしまったことを起点とし、戦後婦人運動、70年代ウーマン・リブの出現等。他の項では、古代の母権考から、米騒動、婦人労働者等について。平塚らいてうらの人物伝も。96歳、著者の書き下ろしを収録。
解説 斎藤真理子、編者解説 河原千春
2021年11月刊の雑誌『シモーヌ』5号にもろさわようこさんの文章が掲載され、この12月には単行本『志縁のおんな――もろさわようことわたしたち』(一葉社、河原千春編・著、もろさわようこ著)も刊行されるなど、もろさわようこさんに注目が集まっています。
・著者紹介/編者紹介
もろさわようこ
1925年、長野県生まれ。女性史研究家。新聞記者、教員、編集者を経て、執筆活動に入る。
主な著書に『おんなの歴史』、『信濃のおんな』(毎日出版文化賞受賞)、『おんな・部落・沖縄』、『わが旅……』、『おんなろん序説』、『もろさわようこの今昔物語集』、『南米こころの細道』などがある。
編著に、『ドキュメント女の百年』全6巻、『新編 激動の中を行く――与謝野晶子女性論集』など。
82年、自由・自立・連帯の交流施設「歴史を拓くはじめの家(現・志縁の苑)」を長野県に開き、同様の拠点を94年に沖縄県、98年に高知県に開設した。2005年、信毎賞受賞。
河原千春(かわはら・ちはる)
1982年、神奈川県生まれ。信濃毎日新聞記者。国際基督教大学卒業後、2007年、信濃毎日新聞入社。飯田支社、長野本社報道部を経て、文化部に異動した2013年にもろさわようこさんと出会う。
著書に『志縁のおんな――もろさわようことわたしたち』(一葉社)、共著(信濃毎日新聞取材班)に『認知症と長寿社会――笑顔のままで』(新聞協会賞など受賞、講談社現代新書)がある。
◆書誌データ
書名 :新編 おんなの戦後史
著者名:もろさわようこ
頁数 :384頁
出版社:筑摩書房(ちくま文庫)
刊行日:2021/12/13
定価 :本体価格900円+税