(記事を追記します。2022年3月25日)
こちらもお読みください。
第2回https://toyokeizai.net/articles/-/511556
第3回https://toyokeizai.net/articles/-/514268
第4回https://toyokeizai.net/articles/-/538781
第5回https://toyokeizai.net/articles/-/540651
第3回、コロナで帰国出産も封じられた技能実習生の女性の妊娠問題です。実習先の会社は出産に協力すると言ったのに、入管が待ったをかけてきた事例が登場します。労働世界の性差別は企業の利益優先主義として語られることが多いですし、それも重要なポイントですが、日本社会ではもうひとつ、正体がよくわからないお上の秩序の壁があります。このような戦前の「国体」の亡霊(?)と女性の困難の関係を軽視してはいけないのかもしれません。
第5回、取材していてその過酷さに特に息を飲んだのは、保健所の保健師です。
維新下の大阪府の保健師が、第6波までの間にどのような事態にさらされ続けていたか。統計だけでは見えてこない状況をお読みください。住民サービスを次々と削いで行った行財政改革の女性に及ぼした傷が、4回目の会計年度職員問題に続き、またひとつ見えてきます。
都でも公立病院の民営化が問題になっています。ウクライナ問題もあり、軍事費が6兆円、GDP比1%を突破し、社会保障費が危機にさらされつつあるいま、住民の健康はもちろん、担い手の女性労働者の健康から言っても見過ごせないテーマです。(竹信)
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(2022年2月23日掲載)東洋経済オンラインでコロナ禍の女性雇用についての週1連載を始めました。
1回目は https://toyokeizai.net/articles/-/509194 です。
ぜひお読みください。
コロナ禍の雇用危機で、「女性不況」と言われながら女性の失業率は男性より低い状況が続いています。
その背景に、女性の雇用危機を見えなくさせるさまざまな「装置」があると考えており、その現場を探ろうと企画しました。
ジェンダー統計の必要性が説かれ、今回はコロナ禍をめぐってそうした統計が展開されて本当に役に立っています。
同時に、数字では見えない質的な「彼女(または彼)の物語」をミクロに取材していかないとわからないことがたくさんあるようにも感じています。
ただ、最近では苦労して取材して書いても「一部の特殊な例」「数字で立証して」と切り捨てられることが多く、ルポやジャーナリズムは「冬の時代」とも言われています。
ただ、一部であろうとなかろうと、そこにその事実がある、というアプローチはまだ重要だと私は考えていますし、統計も、そうした事実の掘り起こしがあってこそ「何の統計を取るべきか」が見えてくるのではないでしょうか。
もちろん、個々の事実を統計で確認するという往復はとても大切で、この両輪がそろっていろいろなことが見えてくるとも思っています。その意味で、この連載が皆さんのお役に立てるとうれしいです。(竹信三恵子)
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