女の本屋

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『女子読みのススメ』 貴戸理恵

2013.11.09 Sat

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.題して、「女子読みのススメ」。女性の書き手による、女性を主人公にした、女性向けの小説を、10代の若い女性たちに紹介していくブックガイド的な読み物です。主に「学校」「恋愛」「家族」「仕事」という領域を扱いながら、「女子の生きづらさ」にフォーカスしました。

2010年代の日本は、女の子が生きづらい世の中です。学校のクラスでの不信や排除と背中合わせの友人関係、自傷のような恋愛、「女性らしさ」を求められる重苦しさ、就職難のなかで挫かれる将来の夢。しんどさのあまり、自分の生きづらさを呪いたい若い女性は少なくないでしょう。

だけど、生きづらさは、無くしてしまうにはもったいない、と私は思います。生きづらさは、たくさんの出会いをくれます--この社会への問いや、生きづらさを抱える他の人、そして大切な本との。

私自身、小学校時代に長期の不登校を経験し、人や社会とのつながりにどうしようもない不安を抱えながら大人になりました。けれども、たまらない焦燥や孤独を抱えてふと手にとって本が、自分にとっての大切な一冊になったとき、「生きづらくてよかった!」と思わずバンザイしたくなった経験が、私にはあります。普段は持ち重りしている自分の生きづらさを、うっかり祝福してしまう瞬間。しんどさを抱える若い女性が、一人でも多く、そんな経験を持っていかれるよう、願いながら書きました。

イラストは、本書でも紹介している児童養護施設に育つ女の子を主人公にした自伝的漫画『いつか見た青い空』の作者であるりさりさんが、とても素敵に仕上げてくれました。特に、「家族」の章の扉絵は最高です。多くの人が「当りまえ」と見なしている「家族」というものに対する感覚的ななじめなさを、温かみとユーモアを添えて表現して下さいました。どうぞお手にとって、なかをご覧になってみてください。(著者 貴戸 理恵)








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タグ: / フェミニズム / 女子の生きづらさ / 貴戸理恵