女の本屋

views

1158

柘植あづみ「妊娠を考える ―〈からだ〉をめぐるポリティクス」

2010.12.12 Sun

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.この本は、これまで私、柘植が調査をしてきた中から、「妊娠」をめぐる様々な課題について、講義で大学生に話しかけるような調子でまとめたものです。インタビュー調査やアンケート調査の事例の紹介に加えて、調査を思い立った背景となった著者の経験、調査で出会った忘れられない人たちのことなどを紹介しています。南アジア(バングラデシュとネパールなど)で人口抑制政策と貧弱な母子保健の状況に苦しむ女性たち、日本の出産の医療化と出産の体験談から見える日本社会の変化、障害のある子どもを育てながら次に生まれてくる胎児に障害があることを心配する日本の女性の葛藤と出生前検査が普及しているカナダの女性の葛藤、妊婦にとって楽しみな検査とされている超音波検査が日本で他の国よりも頻繁に実施されている状況と超音波検査で胎児の障害が見つかったときの衝撃、オーストラリアで出会った代理出産をした女性と日本の代理出産をめぐる議論、オーストラリアで調査した精子提供や卵子提供によって子どもを持った人と精子提供によって生まれた人の願い、不妊治療をしていた女性たちと医師の語り、そして不妊の医療化と不妊治療による女性の生き方の変わらなさと変化などがテーマになっています。統計的なデータを示しながら、インタビューを中心にして女性一人ひとりの生き方に焦点をあてて問題を提起しました。巻末の索引も編集者と一緒に力を込めました。(著者 柘植あづみ)








カテゴリー:著者・編集者からの紹介