
2022年、私はFIFTYS PROJECTという取り組みを始めた。
これは政治分野のジェンダー不平等解消に向けて20代・30代の女性、ノンバイナリー、Xジェンダーの立候補を呼びかけ、一緒に支援するムーブメントをつくろうとするもので、まずは2023年4月の統一地方選挙に向けて活動している。
政治分野のジェンダーギャップ解消の方策は、女性の国会議員が増え、女性総理大臣の誕生を見据えても、まず女性の地方議員を増やすことから始まると考えている。
現在、地方議員の女性比率は14%。20・30代の女性比率を見ても18%に過ぎず、このままいけば、私たちの時代に、ジェンダー平等は実現しないのではないかという焦燥感がある。
そんな背景でFIFTYS PROJECTを始めようと上野千鶴子さんにお話をしたら、『市民派議員になるための本~あなたが動けば社会が変わる』をご献本いただいた。すぐ全部読んで、これは絶対私たちの世代が活動を広げていく時にも役立つものだと思い、ネットで検索したらどこにも売っておらず、中古は6000円以上したので人に勧めずらい・・・と残念に思った。それでダメ元でKindleとかどうですか?と送ったらすぐ対応していただき感謝している。
政治家になることに関心を持ち始めた人には「まずこの本読んでみて」と勧めている。
意思決定の構成員のジェンダー比率が歪んだ日本社会で生きていると、多かれ少なかれ性別による理不尽にぶち当たることがある。明らかな差別もまだあるし、明らかな差別はなくてもステレスな男女不平等は教育の現場にも家庭にも職場にも存在していて、「私は性別関係なく生きてこられた」と思っている人も「あぁ、あれが差別だったのか」と気づく瞬間があると思う。
選択的夫婦別姓、同性婚はまだ実現していない。性教育、緊急避妊薬、人工妊娠中絶へのアクセスは限られる一方、性犯罪に関する刑法では被害者の立場が圧倒的に弱い。
男女の賃金格差、セクハラ、根強い性別役割分業・規範も解消されていない。
個人の選択と権利が守られ、自分らしい人生を歩める社会には程遠い。
政治のジェンダーギャップ146ヶ国中139位、日本が極端に遅れているという現実を前に、一人一人ができることを積み重ねていくしかないのだけれども、その道を照らしてくれるこの本はとても心強い。
「女性」の代表になんてなりたくないし、なれる自信もない。
「女性」としてではなく「私」として生きたい。
だけど、次の世代の女の子たちに、もっと息の吸いやすい社会を残したい。
そんな風に思っている同志たちに、「市民派」議員として活動する方法を示してくださったことが、本当にありがたく、気に入っています。ぜひ、読んでみてください。そして一緒に動きましょう!
◆書誌データ
書名 :Kindle版 最新版 市民派議員になるための本~あなたが動けば社会が変わる
著者 :寺町みどり・寺町和正著 上野千鶴子プロデュース
頁数 :424頁
刊行日:2022/8/17
出版社:WAVE出版
定価 :2552円(税込)
慰安婦
貧困・福祉
DV・性暴力・ハラスメント
非婚・結婚・離婚
セクシュアリティ
くらし・生活
身体・健康
リプロ・ヘルス
脱原発
女性政策
憲法・平和
高齢社会
子育て・教育
性表現
LGBT
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