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民主主義の対極にあるもの 『原発列島を行く』 鎌田慧

2012.05.04 Fri

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なぜこんなにも後手後手なのか…3.11以降の原発「事故」対応をめぐる報道を耳にするたび、何度こう思ったか知れない。

本書は、日本全国の原発を抱える地域とそこに住む人びとのルポルタージュである。原発の建設是非をめぐって分裂する地域社会、その地域の物質的基盤を無視してつくられた豪華な“ハコ物”。そして何よりも悲惨なのは、一度原発がつくられたら人びとの意識自体が原発交付金に依存してしまうという“カネの汚染”だ。

このような状況から筆者は、「原発は民主主義の対極にある」と断言する。

「事故」後の粗末な対応、情報をいくら出されても「安心」できないこと、これらはすべて、原発がつくられる過程からすでに決まっていた構造的な問題なのだということがよくわかる一冊。(bochan)








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タグ:脱原発 / / 3.11