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回答13:打越さく良弁護士

2013.01.18 Fri

不愉快なお気持ちになるのも当然です。上司は,部下であるあなたがなかなか抗議しにくいことに乗じて調子に乗っているとしか思えませんね。

 

さて,男女雇用機会均等法(正式には「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」)11条1項は,「事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。」として、事業主に措置義務を課しています。
そして,この規定に基づき厚労省は事業主が講ずべき措置の実施を図るための指針を定めています(事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針(平成18年厚生労働省告示第615号))。指針は,「職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け」ることを対価型セクシュアルハラスメント,「当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること」を環境型セクシュアルハラスメントとた上で,環境型セクシュアルハラスメントとは,「職場において行われる労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること」としています。

 

そして,なお,この点,労働者の主観を重視しつつも、事業主の防止のための措置義務の対象となることを考えると客観性が必要であるとされ,「平均的な労働者の感じ方」が基準となるとされていますが,あなたの受けている言動は,平均的な労働者にとっても,環境型セクシュアルハラスメントといえるでしょう。
勤務先には、相談窓口がないでしょうか。相談窓口をあらかじめ定め、担当者が相談に対し適切に対応するようにすることも、上記の男女雇用機会均等法の事業主の措置義務のひとつです(指針)。そして、セクハラが確認できた場合には、行為者(この場合、上司)と被害者(あなた)に対する措置をそれぞれ適正に行うことも、事業主の措置義務の内容です。相談して、調査してもらい、解決してもらいましょう。なお、事業主は、セクシュアルハラスメントを確認できなかった場合にも、セクシュアルハラスメントに関する方針の周知啓発等の再発防止に向けた措置を講じることになっています(指針)。

なお,当然のことながら,試用期間中であっても,除外されることはありません。安心して相談してください。

カテゴリー:回答 / 打越さく良弁護士

タグ:くらし・生活 / no13 / 男女雇用機会均等法 / 法律相談 / 打越さく良 / 事業主 / 再発防止 / 労働者 / 措置義務 / 就業環境 / 対価型セクシュアルハラスメント / 環境型セクシャルハラスメント / 相談窓口 / 試用期間中 / 行為者 / 被害者