2013年に認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)の中に女性の活動を伝えるミニコミを収集・保存・公開することを目標に開館して、ミニコミ図書館は5年目を迎えました。この間、ミニコミ収蔵数は82タイトル、4100冊余となりましたことは、これまでミニコミ発行団体(者)および利用者の皆さまからいただきましたご理解とご協力の賜物と心から感謝申し上げます。

 今のようにメールやSNSなどの伝達手段がなかった時代、女性たちは自分たちの思いや気づきを自分たちの言葉で表現し・伝え・繋がるためにミニコミを作りました。手に取ってページをめくれば、そこには個人の日常生活から社会のことまで、素朴ながらも力強い女性たち生の声が綴られおり、またそれを読んで考え、気づき、力づけられただろう女性たちの姿が想像されます。そして時に語られている内容が過去ではなく、40年を経た今と変わらぬ課題を含んでいる事実に愕然とします。
 ミニコミ図書館ではミニコミを女性たちの軌跡を伝える貴重な資料として、時間も空間も超えて未来を考えるヒントとして、インターネット上で公開し次世代に引き継いでいきたいと思います。また調査・研究によってご活用いただき、新たな見解を後世に伝えることに寄与できればと思います。ぜひ実際にページを開いて、ご覧になってください。

 私も2代目館長としてバトンを受け継ぎ、ミニコミ図書館の活動が一層充実するよう力を尽くしてまいりますので、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

  2017年5月
  館長 境磯乃

*資料のPDF化・目次作成については、スタート段階でNWEC(独立行政法人国立女性教育会館)のご協力を得ました。ミニコミの一部はNWEC「日本女性のミニコミデータベース」http://www.nwec.jp/jp/center/page19.html に掲載しているものです。
*開館にあたって、1970年代のウーマンリブ関係のミニコミなどを収録した「資料ウーマンリブ史」全3巻を、編者と出版社のウィメンズブックストア松香堂のご好意により収録することができました。







 女たちから女たちへ。
 手書き・ガリ版ではじまった女たちのための通信。不平不満のつぶやきから怒りへ、そして国の政治や法律を変える力になった草の根のミニコミ誌(紙)。
 日本の第2波フェミニズムは、こうしたミニコミを通して成長したといえるでしょう。
 北から南から発信される個性に富んだミニコミは、マスコミには載らない生きいきとした女たちの息吹を伝え、確かなネットワークで女性たちをつないできました。
 以来40年余、昨今はその中から終刊、休刊が相次ぐようになりました。このままでは散逸してしまう危険も高まっています。 そこでWANでは、原型を保存した形で、世界に、そして未来に伝えたい――そんな願いをこめてそれらのミニコミを電子化し、サイト上にミニコミ図書館を開設しました。
 きっとどこか1ページを開ければ、たちまち懐かしいという思いがあふれたり、びっくり新発見!ということも多いことでしょう。
 そして女たちのつながりが歴史を動かしていることを実感し、明日に向かってエンパワーされるはずです。
 現在収録できているのは膨大なミニコミのごく一部です。資料としてご利用いただくのももちろんですが、ご自分や周辺のミニコミの情報をお知らせください。ミニコミ図書館の成長も助けていただければと願っております。小さく産んでもみなさまと一緒に大きく育てたい――。
 どうぞ、いつでも何回でもここに訪れてください。お待ちしております。
*資料のPDF化・目次作成については、スタート段階でNWEC(独立行政法人国立女性教育会館)のご協力を得ました。「NWEC」あるいは「ダウンロード(NWEC)」と記載してあるものは、NWEC「日本女性のミニコミデータベース」http://www.nwec.jp/jp/center/page19.html に掲載しているものです
*開館にあたって、1970年代のウーマンリブ関係のミニコミなどを収録した「資料ウーマンリブ史」全3巻を、編者と出版社のウィメンズブックストア松香堂のご好意により収録することができました。

2013年5月
館長 満田康子