2009.09.18 Fri
男女共同参画会議 監視・影響調査専門委員会は昨年6月から「新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女について」をテーマに調査を実施し、9月2日に最終報告に向けた論点のとりまとめを公表し、それに関する意見募集を9月25日まで行っている。詳細は以下のページをご覧いただきたい。
「新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女について」最終報告に向けた論点のとりまとめ)に関する意見募集について 内閣府男女共同参画局調査
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kansieikyo/iken/boshu200909.html この報告の意義のひとつは、ひとり親世帯、不安定雇用者、外国人、障害者等、従来標準とされてきた生活のありかたに当てはまらない層への視点が登場していることである。日本人で健常者で正規雇用の男性世帯主と専業主婦の異性愛夫婦とその子ども、という「標準」からはずれることによって、生存条件が著しく低下することを、今回の報告は(セクシュアリティについては触れられておらず、今後の課題であろう)かなり的確に指摘している。また、ジェンダー格差を視野に入れながら、男性の困難をジェンダーの視点から考察していることも重要である。標準的人間としての男性ではなく、ジェンダーとしての男性の困難を焦点化することは、「男並み平等」の克服にとっても意味があると思う。
今までの女性政策、男女共同参画政策の展開においては、意識啓発活動のウェイトが大きかった。その背景には縦割り行政の限界などもあったのではないかとも考えるが、従来の女性政策、男女共同参画政策においてさえ、女性の貧困は不可視の問題であり続けたことは否定できず、格差と貧困が深刻化する中、ようやく女性の総合的生存条件に焦点が当たってきたことの意義は大きい。
今回の意見募集は、新政権の男女共同参画政策への要望を表明するチャンスでもある。期限が迫っているが、ぜひ多くの意見を寄せていただきたい。
カテゴリー:ちょっとしたニュース / 男女共同参画