エッセイ

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京暮らしつれづれ・8 残暑の長月・京あれこれ  中西豊子

2010.08.25 Wed

今年の夏はとりわけの猛暑でしたね。京都盆地は風がなく東京に比べて温度も湿度も高いので、もう毎日バテバテ状態です。こちらは雨も少なく連日炎天でした。

今年は、狭い範囲に猛烈な雨が降る局地豪雨、ゲリラ豪雨とやらが、世界のあちこちで起こっていると聞きます。何と中国では、今年8月までに土石流や洪水の被害に遭われた方が2億人を超えたと聞いて、さすがにスケールが大きいというか!その数にたじろぎます。被害地の方はさぞ大変だったことでしょう。緊急で適切な対策が届くようにと願うばかりです。一方、以前から北京では水不足が深刻で、大がかりなダム建設が次々に進んでいるとか。地球温暖化、環境破壊など、もう手遅れではないのかと心配になってきます。

さてこの暑い日々、めげずに百日紅が街の家々からこぼれるように咲き乱れ目を楽しませてくれました。今年は紅色が余計くっきりと目立ったような気がします。写真は、最近整備された堀川渓流散歩道に咲いたさるすべりです。 社寺のお池には、睡蓮が義理堅く咲いています。お盆のお墓参りに行った岩倉妙満寺の池にも、出迎えてくれるかのようにひっそりと咲いていました。心なしか今年は元気がないように思いました。平安神宮神苑や龍安寺などの睡蓮が有名ですが、猛暑の中で観光客も睡蓮も、ぐったりなんてことにならないよう願ってます。

長月(9月)はお月見やお彼岸の月、やっぱり不信心者に思い浮かぶのが「月見団子」と「おはぎ」。7月の土用の入りには「あんころ餅」を食べますが、これはおはぎと違って丸めた白玉粉のお団子を、こし餡で包んだもの。近頃はネットで愉快な創作あんころが披露されています。あまり美味しそうには見えませんが(失礼!)結構楽しいです。

お彼岸に食べるおはぎと言えば、母の時代には、沢山作って重箱でご近所や親類に配ったものでしたが、おひとりさまの今では、買ってすませてしまいます。家で作ったおはぎ、懐かしいですね。材料には餅米とうるち米(普通のお米)を混ぜて使いますが、この混ぜ方が微妙で家々の味が決まるのかもしれません。

ところで、「おはぎ」と「ぼたもち」の違いについて疑問をお持ちになったことはありませんか? 実は、私も両者の違いが長らく判らなかったのですが、判ってみればなーんだというお話です。秋のお彼岸に食べるのは萩の花の連想から「おはぎ」と呼び、春のお彼岸に食べるのは牡丹の花のイメージで「ぼたもち」って云うのですって。見た目も味も変わらない、作り方にも差がないのに、このややこしい呼び名。しかし昔の人は発想が風雅ですねえ。やはり今頃の季節に「ぼたもち」と言われれば何か暑苦しくて食指が動かない、よくできた趣向です。ともあれ今年も無事に美味しい「おはぎ」を頂ければ幸いなこと。

ちなみに駅前のデパ地下で新発見! もうこの季節になれば、「おはぎ」と呼ぶはずですが、何軒かある和菓子屋の中で、1軒だけ「ぼたもち」と表示していたお店がありました。やっぱりややこしいす!

月見団子はご存じのように、真っ白でまん丸のお団子のところもありますが、こちらでは、芋に見立てて、やや細長のお団子にくるりとあんこを巻きます。いつぞや冷泉家のお月見の儀をテレビで見ましたが、ご当主夫妻が装束に身を固め、厳かにすすきと団子を月に向かって供えておられました。どうもお団子は庶民のものとは違うように見えましたが、定かではありません。月見の儀とその後に続く歌会の様子を見ていて、平安時代にフイルムを巻き戻されたのかと信じられない気がしました。藤原定家の頃から伝わるという様々な年中行事を、丁寧に伝承してこられたことにつくづく驚嘆します。私たち、おはぎ一つ作るのもズボラしているというのに。

お月見といえば大覚寺境内にある大沢の池の月見が有名です。大沢の池に船を浮かべてその上からお月見をすることができます(申し込み制)。今年の仲秋の名月は9月22日とか。池の周辺は高い建物が規制されているので、月を見るには絶好の場所なのです。名月の日に限らず、四季を通じて周囲の山々の色が変わり、何度行っても厭きない名所です。

9月の第1日曜日には、嵐山にある松尾大社の八朔祭が催されます。神事の他、六斎念仏や、神楽やと賑やかなお祭りですが、12年ほど前から女神輿が盛大に出るようになりました。とかくお祭りには、蚊帳の外に置かれてきた女性たちですが、地元の女性たちが発案して始めたといいます。女性ばかり幼児から六十代まで、百人もの担ぎ手が出ます。嵐山の大堰川を渡る船渡御も行い、長時間巡行します。一般の方にも参加を呼び掛けています。参加の条件は、女性であることと祭り好きであることだとか。運営も女性の手で行われているようです。年齢制限はないようだから、私もいっちょう担ぎに行くか!

カテゴリー:京暮らしつれづれ

タグ: / 京都 / 中西豊子

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