エッセイ

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名古屋のうみゃあもん、いっぺん食べてみやあせ。 いとうしずか

2013.04.30 Tue

5月26日は、名古屋へ集合! WANの総会が今年は名古屋で開催されることにちなんで、今月の「晩ごはん、なあに」は、名古屋の「うみゃあもん(おいしいもの)」がテーマです。なごやめしのお店は、すでに「“なごやめし”の極意」  でご紹介されているので、ここではわたしが日ごろ食べている名古屋の味をお伝えします。

<喫茶店は名古屋の文化?>

O 名古屋といえば、やっぱり喫茶店。 その数の多さもさることながら、独特の喫茶店文化は、名古屋に住んでいるとそれほど感じないのですが、やっぱり独特みたい。 まず、びっくりされるのが「モーニング」。 大抵のお店は朝10時か11時頃までにコーヒーなどの飲み物を注文すると、トーストとゆで卵が無料でついてきます。 特に郊外の喫茶店はサービス満点。パンのほかにサラダやヨーグルトは当たり前、おにぎりや茶わん蒸しなど、なんでこれが?と思うようなミスマッチ(笑)のサービスも。安けりゃいいのか、本当に市民が求めているのか?と、思いたくなるようなところは、大票田でトップ当選するわが市の首長選のようだわ。

モーニングの時間帯を過ぎたら、今度はおつまみが無料でサービス。小皿に盛ったピーナツや柿の種がついてきます。コーヒーがなくなっても大丈夫、お水のおかわりが何度も重なるとそのうちに昆布茶が出てきます(もちろん無料)。喫茶店はご近所さんのコミュニティサロン。ボトルキープならぬ11枚綴り(コーヒー10杯分の代金で1杯お得)のコーヒーチケットをキープして、毎日通うのが名古屋の喫茶店なのです。

O我が家がよく行く喫茶店は、ご存じ「コメダ珈琲店」。 最近は、フランチャイズで全国展開して有名になり、かつてのような地元民の憩いの場所ではなくなりつつありますが、お店によっては地域密着型の昔ながらの店構えのところもあります。 温かいデニッシュパンのうえに冷たいアイスクリーム、シロップかけて甘さ120%の「シロノワール」は、県外の友人に紹介すると必ず大うけの一品。全然高級感がなくてお得感だけ、味のミスマッチがやっぱり名古屋っぽいのだそうです。
シロノワール

コメダのメニューでわたしのイチオシは、カツサンド。熱々のトンカツとたっぷりの千切りキャベツが、トーストした食パンからはみ出さんばかりにサンドされて、大きな口をあけて食べるそのボリュームに感動しますよ!

O もう一つ、名古屋の喫茶店でお目にかかれるのが、鉄板スパゲティ。 実はわたし、喫茶店で食べるスパゲティは、どこでも鉄板の上にのっているものと思っていました。でも、これって名古屋独特のスバゲティだったんですね。 なんの変哲もないナポリタンスパゲティだけど、鉄板の上に引いた卵焼きとケチャップたっぷりのスパゲティとが絡み合うとおいしい。家でも作りたくって、うちにはそのための鉄板があるのです。

<てまえ味噌ですが・・・>

O連れあいの転勤に同伴して各地を転々とするときに必ず持参したものが「赤味噌」。 これがないとはじまらない。わたしが愛用しているのは、大豆と塩でつくる八丁味噌です。 赤味噌は熱を加えるとうまみが増すと言われています。赤味噌に同量の砂糖と水を少し加え、火にかけて十分に練って「あまみそ」をつくります。これがあれば、味噌カツやおでんの味噌だれもOK、サバの味噌煮や田楽にも重宝するのです。砂糖以外、余分なものが入っていないので長期保存がききます。たくさん作り置きするのですが、500グラムの味噌と砂糖を練る作業はかなりの重労働。最近は市販品もあるので便利になりました。

どて煮 味噌料理の中でご紹介したいのが「どて煮」。我が家のどて煮は、牛すじ肉に生姜を加えて「あまみそ」でじっくり煮込んだものです。戦後、バラック小屋の食堂で、この「どて煮」がよく売られていたそうです。串カツに「“どて”の汁をつけて」というお客さんの声から味噌カツができたとか。「どて煮」は、懐かしい母の味。母のつくるどて煮は、柔らかくてとろっと甘辛くて、白いご飯と一緒に食べるとついつい食べ過ぎてしまいます。わたしは、いまだに母の味を真似することができず、もっぱら実家でもらい鍋。 いかがでしたか?名古屋の「うみゃあもん」。わたしにとってはおいしいと思っている「名古屋の味」。他の地域の方には、独特な珍しい味に思えるかもしれません。あるいは、わたしたちには当たり前すぎておいしいものだと気づかずに食べているものもあるかもしれません。 みなさんが名古屋の食文化を体験されて、わたしたち名古屋人が気づかない「おいしさ」を発見したら、ぜひ教えてくださいね!

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シリーズ「晩ごはん、なあに?」は、WANの運営ボランティアに集う人々によるリレーエッセイです。
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さまざまな人たちがWANの理念に賛同し、実際にサイト運営に関わっていることを、皆さんに知っていただければと思っています。

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