2014.11.30 Sun
わたしがまいにち食べているのは、家の前にある約3反(30a)の畑から届くもの。どんな野菜がどれだけあるかは、畑しだいです。
野菜には、気温や育つ環境で、暑い時にできるものと寒い時にできるものの適期があります。スーパーのようにいつでも何でもあるわけではないので、その季節にないものは来年までお預けです。
有機農業をしているので、米も野菜も卵も自家製。配達残りのふぞろいの野菜たちと相談して、その日の献立を決めます。たとえばカレー。入れる野菜は、夏なら水なしトマトカレーやナスやキュウリのカレー、冬なら水なし大根カレーです。定番の玉ねぎとジャガイモと人参がそろうのは、ほんの一時期です。
旬の野菜は、それだけでおいしいもの。できるだけ素材を生かしてシンプルに手を加えないようにしているので、料理もかんたん。とはいえ、無農薬なので、種を蒔いてから収穫するまでに手間ヒマかかっています。
調味料にもこだわっていて、粟国の塩、有機再仕込み醤油、赤みそならカクキュウ、金白ごま油、村山千鳥酢、白扇3年本みりん。昆布は羅臼昆布、枕崎の本枯れ節など、添加物のない材料や製法にも手間をかけた本物を使っています。砂糖は自然の野菜の味を損ねるので、料理にはほとんど使いません、甘みが必要なときは、3年本みりんか自家採取の日本蜜蜂の蜂蜜を少々。ということで、どの料理も薄味です。
こんな暮らしが30年来つづいています。
いまは若い人たちが生産者。平飼いでニワトリを飼い、米をつくり、畑で周年100種以上の野菜を育てて循環型の有機農業しています。わたしはそのおすそ分けをもらうのです。
◆岐阜美濃 寺町畑 http://blog.goo.ne.jp/teramachi-batake
お米は、昔からずっと無農薬・無化学肥料の栽培で、除草剤もつかいません。紙マルチを使っての栽培ですが、5月のもみ蒔き、6月の田植え、7月の田の草取りから、10月の稲刈りまで、手間がかかりますが、そのぶん、お米のおいしさは格別です。
今年は台風が立て続けに二つきたので、その前に急いで稲刈りを済ませて、いまは新米を食べています。品種は晩成種の初霜(ハツシモ)。粒が大きくて変質しにくい硬めのお米で、冷めてもおいしいので寿司米として有名で、知る人ぞ知る「幻のお米」です。玄米を その日の朝に2合だけ炊き、残れば冷凍しておきます。
晩秋は、みどりの葉野菜がたくさん採れるのでグリーンサラダがおいしい時期です。
はたけもみどり一色で、この時期のはたけ
の彩り豊かなグリーンが好きなので、見るとしあわせな気持ちになります。なにしろ、名前も「みどり」ですからね(笑)。
季節は、夏から秋へ、秋から冬へと移り変わり、人の世の喧騒に関係なく、作物は季節にあわせて、正直に育っています。
はたけの野菜たちは、わたしにとって、いぶくろを満たすだけでなく、そんな自然の営みを教えてくれる、たいせつなものです。
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シリーズ「晩ごはん、なあに?」は、WANの運営ボランティアに集う人々によるリレーエッセイです。 食べることは生きること。 さまざまな人たちがWANの理念に賛同し、実際にサイト運営に関わっていることを、皆さんに知っていただければと思っています。
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