2012.02.22 Wed
「田中敦子 – アート・オブ・コネクティング」
戦後日本の前衛美術グループ「具体」を代表する女性アーティストとして、近年国内にとどまらず海外でも注目を集めている田中敦子(1932−2005)の個展「田中敦子—アート・オブ・コネクティング」がイギリス・スペイン巡回後、東京都現代美術館で2月4日から開催されています。
2012年2月4日(土) ~ 5月6日(日)
東京都現代美術館 3F >>> 詳細
「本展は作家自身の監修のもとに再制作された《作品》(ベル)、《電気服》をはじめとした代表作約100点で構成され、革新性を模索し続けた彼女の歩みを回顧します。」(東京都現代美術館HPから)
ドキュメンタリー「田中敦子 もうひとつの具体」の上映会、トークイベントも企画されています。「田中敦子 もうひとつの具体」は示唆深いドキュメンタリーで、展覧会とともにお薦めです。
<関連イベント> >>>
会 場:東京都現代美術館 講堂(地下2階)
○上映会 ドキュメンタリー「田中敦子 もうひとつの具体」
日 時:2月25日(土)、3月17日(土)、4月28日(土)
各日 13:00〜、16:00〜より (上映時間 45分)
○トーク ドキュメンタリー「田中敦子 もうひとつの具体」監督による
日 時:2月25日(土) 14:00〜15:00
講演者:岡部あおみ(美術評論家)
<田中敦子 プロフィール>
「1932年、大阪に生まれる。1951年、京都市立美術大学を中退の後、大阪市立美術館付設美術研究所に学ぶ。同研究所に通っていた金山明の助言で抽象絵画に興味を持つようになり、1954年頃に数字をモティーフにした作品を手掛ける。同時期、金山が中心メンバーの一人であった、先鋭な美術を目指す若手作家のグループ・0会に参加し、同会の白髪一雄や村上三郎らと積極的な相互研鑽を図る。1955年に金山、白髪、村上と共に、吉原治良がリーダーを務める具体美術協会(略称:具体)に加入。10メートル四方のピンクの人絹を地上約30センチの高さに張った作品や、順に鳴り響く20個のベルを会場に設置した作品、あるいは、高さ4.4メートル、幅3.6メートルの巨大な人型七体に管球を取りつけ規則的に光を点滅させた《舞台服》、約200個の多彩な電球・管球を組合わせ、明滅する光の服に仕立てた《電気服》、次々と衣装を着替えてゆくパフォーマンスなど斬新な作品を立て続けに発表し、1957年頃から、電球とコードの絡まりに着想を得た絵画を制作し始める。その作品が、1957年に来日したフランスの批評家ミシェル・タピエの目にとまり、具体の中で「国際的にもっとも確固たる作家群と対比並列すべき」メンバーの一人として高い評価を得る。それ以後タピエを通して欧米で紹介されると同時に、国際展への出品・入賞を果たし、具体の重要性を担う作家の一人と目されるようになった。1965年に具体を退会した後も、精力的に制作活動に取り組み、2004年まで定期的に個展を開催。具体再評価の動きが本格化した1980年代以後は、戦後美術をテーマに据えた国内外の大規模な展覧会や、具体を包括的に検証した展覧会で、常に主要な出品作家の一人として紹介される。また、1990年代後半より具体という歴史的文脈を超え、一人の作家として注目されるようになり、2001年の芦屋市立美術博物館および静岡県立美術館での回顧展「田中敦子—未知の美の探求 1954-2000」でその存在を改めて広く国内外に知らしめた。2002年にインスブルック、2004年にニューヨーク、2005年にバンクーバーで本格的な個展が企画され、国外でも再評価の機運が高まる中、2005年3月の交通事故が元で同年12月に急逝。2007年、現代美術の動向を知る上で、ヴェネツィア・ビエンナーレと並び重要と見なされている大規模な国際展「ドクメンタ12」(ドイツ・カッセル)の出品作家の一人に選出され、翌年にも第16回シドニー・ビエンナーレで取り上げられるなど、没後も国際的評価はさらに揺るぎないものとなっている。」(国際交流基金HP<「具体」を代表する女性アーティスト田中敦子の欧州巡回個展>から)
(artemisk)
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