・慰安婦の問題が起爆剤となり、今回扱った文献の研究を含め国際的な「戦争(軍隊)と性」に関する研究が多くされるようになったということから慰安婦に関する研究をもっと調べてみたいと思った。また、上野氏の仰っていた戦時下において兵士が女性のセクシュアリティを買ったり強要したのはセクシャルハラスメントの構造と同じと言っていたのはとても興味深かった。

・社会学の用語や今回の問題について学ぶことができ、また、疑問に思っていた事にもていねいに説明頂き、出席してよかったと思います。

・貴重なご報告を頂きどうもありがとうございました。色々と目からウロコのことが多くありました。
普段、テレビ番組で、女性、障碍者、高齢者…などをテーマにした企画を制作・放送しており、現代(今)に通じる視点を多々頂きました。

・ディスカッションの時間があっという間に感じました。また、予習時には思いが至らなかったところで「娼婦だった人々のエージェンシーの問題をどのように考えるか」という点について、エージェンシーを字義どおりに捉えられない複雑さ(自暴自棄で売春したり、生活困難のためにせざるを得なかった、等)鍵カッコ付きのエージェンシーで語ることのできない問題を明らかにするためにも、フランスの女性の語りにもっと着目したいと思いました。

・久々にゼミに来ることができて、良かったです。加害者側は何を思って(むしろ何も考えていない?)加害者になったのか。DV被害者の会(?)のようなところで、DV加害者を呼んで話を聞く会が、元加害者のつるし上げの会のようになっているのを目の当たりにして、最近モヤモヤしています。

・男加害者の話は、現在の場合でも聞くのが難しいなと思います。しかし、重要な主題だし、必要な作業ということを理解した今日のゼミだったと思います。たぶん、男性への慎重な接近が必要ですよね。

・素晴らしい解説を聞かせていただき、有難うございます。平井先生の授業をとっていて、来週から戦争の慰安婦問題テーマに入るところです。
今回ゼミでお聞きしたことを踏まえて、自分が今まで戦争に対する理解も深め、中国で受けた教育と考えで、やはり戦争における女性の視点が不在していると気づきました。

・本書へのリアクションからも、男性アイデンティティと国家の名誉とセクシャリティの強い結びつきを感じた。フロアからのコメントにもあったが「自然な性欲」とは別の意味で、ジェンダーと性的ファンタジーは強く結びついている。本書自体は男性性研究として面白く読んだ。

・非対照的な権力関係が暴力を生み出す、という考えはまさしくジェンダーについて考えるがゆえに、避けて通れない命題になったと思います。暴力の責任を男性だけに負わせて良いものなのか?とも思いました。

・研究が蓄積されていくことの意義を、今日改めて認識できた気がします。また、加害者の語れなさ、それによって明らかにされないことが本当にたくさんあることを強く認識させられました。

・1冊の本をめぐってメインコメンテイター4名の意見を聞いた時「あ、本ってこう読むんだ」と思った。1冊の本を読み解くためには、たくさんの関係書籍・資料も読む必要があるのだと実感しました。参加して良かったと思いました。今後の自身の学びにも、役立てたいと思います。自身の研究に活かせる知見を得ることができました。ありがとうございました。

・加害者のオーラルヒストリーが、最近の日本及び世界の状況において益々重要であると思いました。男性たちによる聞き取り調査を急ぐべきだと思います。

・アメリカ中心主義、人種化、だれが語るのか、女性の経験のグラデーションなど、どれも納得的なのに、戦争の「非日常性」からすっかり自分にとって抜け落ちてしまっていた視点に多く気が付き、反省する機会になりました。

・ゼミで本書の発表担当をした際、いかに自分が批判的に読めていなかったか、ということ実感しました。セクハラとレイプが延長線上にある、というお話が印象に残りました。女性と男性が非対称的な関係におかれるという点では、家の中でのしごと、というものもあてはまると考えられると思いました。

・フランス人女性の声が聞こえない、というご指摘は私も読みながら感じていたことで、“女性にとって戦争とは何だったのか”が資料的な制約もあり明らかになりづらい状況はもどかしいと感じました。

第31回 上野ゼミ 書評セッション「兵士とセックス――第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか? 」