第33回 上野ゼミ 書評セッション 平山亮『介護する息子たち―男性性の死角とケアのジェンダー分析―』
◆日時: 2017年3月24日 18:00~20:00
レスカコメント

・宮田様永野様:お二人の報告、血の出るような言葉の数々に驚かされました。上野ゼミの力ですね。
・平山様:取り急ぎご本を買って読みます。
・「生涯母親」で居続ける母親がいて、お膳立てのベルトの上で育った息子がいる限り、オレオレ詐欺は無くならないね。
・「介護する息子たち」コーフンして読みました。
・「自立という概念を出さなくても、平等・対等は論じられる。」上野さんの一言。リベラリズムの虚構性についての質問に関してありました。今回、本の内容からの受け止めではsentient activityに注目して、それこそ永野さんが仰ったように開眼ものでしたが、トークを聞いて、自律との関連は無視できないな、と思いました。前提であろうとは思いましたが、もっと近づけて考える必要があると考えました。
・久しぶりに参加しましたが、とてもおもしろくみなさんの議論を聞きました。「自律」「主体性」のフィクション性はとてもおもしろいですが、どんなふうに論を立てるかで、どんどん拡散していってしまう考えのような、うまく言えませんが、そんな気もしています。
・平山様:「介護する息子たち」おもしろく拝見しました。新書の方が事例が多かったようなので、そちらも読んでみます。自立の虚構性についての議論、とてもよかったですが、これを「男性性」バクバクの人たちにどうつたえ、理解させられるか、とも考えさせられました。
・平山様:なぜ、息子から母への介護虐待が多いのか、という問いを、この本を読みながら考えていました。推測の域を出ませんが、多くの男性がマザコン、心理的依存から抜け出せないことが「息子介護」をまっとうさせようとする(息子としても、母としても)ことと大きく関係しているのではないかと思いました。「お膳立て」を受けて見かけの「自立」「自律」がつくられていることを、男性によってはっきり言語化されている本書は、読んでいてただただうなづくことしかできませんでした。
・宮田様:お疲れさまでした。「与え手は、負担と思わずに干渉していた」が大変印象に残りました。素直なお言葉が、響きました。
・平山様:貴重なお話をありがとうございました。父親支援、発達障害児の親支援、社会的養護支援に加え、最近、不登校の親支援を団体として始めた編者・ライターです。
 予備軍の当事者が特に、発達障害児の親、不登校の親に見られますため、今後の家族支援の方向性を模索しています。
 息子介護の家族はどう感じているのか、息子介護者と母親とのこれまでの関係性、生育歴がどうだったのかに興味を持ちました。今後の研究を、注目・応援しています。
・虐待とDVは、されている当事者がされているという認識をしないところが全く同じだと思った。男性と女性は、やはり不平等だと改めて思う。

第33回 上野ゼミ 書評セッション 平山亮『介護する息子たち―男性性の死角とケアのジェンダー分析―』