WANシンポジウム2018@よこはま・プレ企画として、2018年2月19日、
基調講演の講師―又木京子さん(社会福祉法人藤雪会理事長)のお話しを伺いに、
上野千鶴子さんはじめとするWANの仲間9人が、厚木市へと向かいました。
28年の歴史をたどって
次に、キャリージョイの車で移動して行ったのは
ヘルパーステーション「ワーカーズコレクティブ さち」です。出来てから28年!
つまりはこの活動の発祥の地です。
介護保険が始まり事務所を持たなくてはいけない、ということからこの事務所を持つようになったそうです。
赤ちゃんから高齢者まで(同行している渋谷典子さんもお孫さんが生まれた際に利用させていただいた、ご縁深い「さち」さんです。渋谷さん、ディーセントワーク的には「祖母力を発揮しない」の先駆者だったんですね)
利用者層のお話になり、高齢者がご親戚の結婚式にでる付き添い、叙勲のパーティーの付き添いなどがあったとのことでしたが、印象的だったのは、障がい者であるお母さんがお子さんが大きくなってきて幼稚園におくることもままならない事へのケアです。
身体にどんなことが起きていても女性が自分らしく(この場合は母親として)生きることへのヘルプをしている事業はここから生まれています。
ここではチケット制という形で誰でも時間単位でケアを購入できます。
これには意味がありました。
よくある2世帯同居だとドアが違っても「同居」となり介護保険がでないそうです。
しかし、ちょっと掃除をしてほしい、買い物をしてほしい、という時にチケットが登場してきます。
そのお値段は決して高いものではなく寄り添い価格でありました。
しかしこの分野に採算はなくヘルパーステーションは主にケアマネで稼いでいるとのことです。
「ケアマネは40件抱えないとやっていけないがこだわりはない。
自由、余裕をもってやることが疲弊しなく続けていくコツ」という事が印象的でした。
福祉は「継続あってこそ」だと思いますので
日本にある他の施設もぜひロールモデルとして学び取って欲しいと思いました。
ここの職員さんは元々、地域の「生活クラブ」の地域の委員さんだったそうです。
そこで「高齢者の支援ができるといいね」とはじまった団体でした。
ここには同じ方向を向いたリーダーシップがある女性が集っているそうです。
同じ方向を向く仲間が集まるとパワーはインフィニティとなることを目の当たりにしました。
女性ってすごい!
ここでも結婚式などの移動は先に出てきたキャリージョイさんが行います。
実は車椅子の扱いはキャリージョイさんが技術として高いものがあるとのことです。
車で利用者を目的地にお連れして、下ろして、移動な安全にキビキビと動きます。
ここも事業と事業の協働をみました。
「断らない保育園」
次に車で移動してついたのは、昨年認可された保育園「くれよん」。
障がいを持ったお子さんも受け入れるそうです。
ここもまた当事者が別団体として別棟に児童デイ・サービスを作っていました。
また療育をうけることができる部屋もあります。
看護士なしで受け入れていた病児さんがいましたが、当たり前のようにやっていたネブライザーや吸引も法律の規制で出来なくなってきたそうです。
例え寝たままであろうとこの空間にいることが楽しみとのことです。
そんな楽しみを阻む法律とは誰の為のものなんだろうか。
ケースにより合わせることもできる細やかな立法もこれからの時代必要ではないか、と感じました。
この保育園はワーカーズコレクティブに年間数十万の会費を払っているそうです。これは収入のパーセンテージで支払うとのことです。
上野さんが保育士さんに「所属のメリットは?」と伺うと
「同じ保育園の仲間と地をまたいで情報交換ができるからです」
との返答でした。
ここにもお子さんへのよりよい保育の為の「意識と行動」がありました。
子どもの数に対する職員の数が法定数ギリギリの人数ではない、ということから生まれる
”気持ちの余裕”が結果、子どもの為に使われていく形になってます。
障がいがあるお子さんは朝、親御さんが保育園に預け、
同じ敷地にある児童デイ・サービスにお子さんを先生が連れて行き
訓練が終わるとまた保育園という連携は
制度ができる3〜4年前からここは当たり前にやっていたとのことです。
1つ1つが「事業体」ではなく、
「人間の繋がりである」ということが臨機応変な保育となっている事がわかりました。
こちらの保育園は複数リーダーです。
様々な事を越えていく力が各々のリーダーの中にあるので
園の前進力は強力なものとなっていると感じました。
金銭面で言えば父兄、職員からも寄付を募っている、という特徴があるのもこの団体の特徴でもある。
例えば「くれよん」が改修するときは他の園の親からも寄付を募る。
自分達でお金を出しているから先生も親も意識が高いとのことです。
又木さんからさらっと伺ったお話。
「危険と隣り合わせの小学校で強制的に予防接種をやめさせたのは私の活動からよ」とのことでした。
予防注射の中身を知ることがあり、強制ではなく「選択」できることはここから始まったという事は印象的でした。
(Part3に続く)
■ WANボランティア 早川瑞 ■
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【WANシンポジウム2018@よこはま・プレ企画】基調講演講師・又木京子さん事業訪問レポート★Part1
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