WANシンポジウム2018@よこはま・プレ企画として、2018年2月19日、
基調講演の講師―又木京子さん(社会福祉法人藤雪会理事長)のお話しを伺いに、
上野千鶴子さんはじめとするWANの仲間9人が、厚木市へと向かいました。


「WANシンポジウム2018@よこはま」でご講演頂く、
又木京子さんの事業訪問として、
社会福祉法人「藤雪会」http://www.tosetsukai.com/ を訪問しました。

藤雪会は18もの施設からなる福祉施設を中心としたグループです。 食べる看取り働く女性のしあわせをビジョンにされている社会福祉法人です。 職員自身が作り、職員が育てているのが特徴です。

そして、又木さんはこの藤雪会の創業者兼理事長で、 過去には県議や市議をされていたこともある、 地域福祉の第一人者と呼ばれる方です。

朝からいいお天気に恵まれたこの日は、又木さんの運営する 保育園や学童クラブ、障害のあるお子さんのデイサービス、日本語教室、 ヘルパー派遣事務所やリサイクルショップ、高齢者デイサービスや有料老人ホームなど、 さまざまな施設を見学しました。

各施設の様子はこちらのレポートをご覧ください。
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★Part1★
社会福祉法人藤雪会、NPOキャリージョイ、保育園VIVI、デイルームとんとん、
学童保育なないろのたね(NPO子ども未来塾)、日本語教室
https://wan.or.jp/article/show/7729
★Part2★
ヘルパーステーション「ワーカーズコレクティブ さち」、保育園くれよん
https://wan.or.jp/article/show/7737
★Part3★
高齢者施設「ポポロ戸室」、NPO「We Shop」
https://wan.or.jp/article/show/7766
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子どもからお年寄りまでが利用する、たくさんの施設を運営されていますが、
みなさんは、これらの福祉事業が法律によって細かく分類されている事はご存知でしょうか?
この分類に応じて補助などのさまざまな支援があり、同時にさまざまな制約が発生するため、
福祉事業をする方も、福祉サービスを利用する方も、
どの事業区分に該当するものなのかを把握することがとても大切になります。
せっかくの機会なので、今回見学した中に登場した事業がどういうものなのかを調べてみました。
簡単に紹介します。

<子ども>
児童福祉法により定められた児童に対し、社会福祉を提供する施設
※今回見学した施設では、「保育園ViVi」や「くれよん」「くれよん保育室」「デイルームとんとん」で実施されています

通常保育…普通の保育園
一時預かり…用事や休養等により一時的に、保育を必要とする場合の保育を実施する施設
休日保育…日曜・祝日に保育を必要とする場合の施設
病後児保育…仕事を休むことができない保護者に代わって、病気回復期のお子さんを保育する施設
放課後等デイサービス…通称「児童デイ」。就学児(6歳から18歳)の障害のあるお子さんや発達に特性のあるお子さんが利用できる学童施設
児童発達支援…未就学児が対象の児童デイと同じような施設(藤雪会の運営する「とんとん」では看護士さんが常駐されていて、重度なお子さんや、医療行為が必要な方もいらっしゃいます)

<高齢者>
老人福祉法を根拠として老人福祉を行う施設
※今回見学した施設では、「ポポロ戸室」や「ケアセンターあさひ」で実施されています

特別養護老人ホーム…通称「特養」。常時介護が必要で家庭での生活が困難な場合に入所する施設。要介護3以上の認定を受けた高齢者が対象
有料老人ホーム…特養の民間施設。公的施設ではないため特養よりは幅広い入居者が対象になる
デイサービス…事業所に通い、主に日帰りで、入浴や食事、その他日常生活の介護を受けられる施設
小規模多機能型居宅介護…通いを中心として、利用者の希望に応じて、随時訪問や宿泊を組み合わせてサービスを提供する施設。地域密着型のサービスなので、原則、住んでいる市区町村にある事業所を利用する
認知症グループホーム…軽度の認知症高齢者向けの入所施設。高齢者の自立を促すことが目的の施設なので家事等を分担する
認知症デイサービス…認知症高齢者向けのデイサービス
訪問介護…訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の居宅を訪問して、入浴、排せつ、食事等の介護や調理、洗濯、掃除等の家事を行うサービス
障害者ヘルパー…障害者が対象の訪問介護
配食サービス…食事を調理し居宅に訪問して提供するサービス(ケアセンターあさひでは1食400円~)


他にもいろいろありますが、それぞれに定められている制約をばっちりクリアした事業のみが
社会福祉法人として実施することができます。
もし、高齢者と障害児を一緒の部屋で居場所提供したいなど、
制約に適合しない場合はNPO任意団体株式会社などで運営するということになり、
補助が受けられないなどの制限が発生します

これだけの種類の施設を適合する形で運営されている又木さんは「凄い!」としか言いようがありませんが、
又木さんの手掛ける事業でも、
これらに適合しない、日本語学校リサイクルショップの事業はNPO法人で運営されています。

ちょっと調べただけでも、福祉の領域は複雑な制度設計がされ、
しかもその制度がよく変わるという難解な世界だというのがよくわかります。
福祉に携わる方がみなさん大変だとおっしゃっているのが、改めてよくわかりました。

そしてこの複雑な制度を知らないがために利用できない人、制度の狭間に落っこちてしまう人には
絶対にサポートが必要だと改めて感じました。

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次回は、最後に訪れたケアセンターあさひで、みんなで座談会を行った様子のレポートです。
山積する福祉の課題について上野さんが鋭い質問をされています。
(Part5につづく)

■ WANボランティア 吉野真佐代 ■

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【WANシンポジウム2018@よこはま・プレ企画】基調講演講師・又木京子さん事業訪問レポート
★Part1★
社会福祉法人藤雪会、NPOキャリージョイ、保育園VIVI、デイルームとんとん、
学童保育なないろのたね(NPO子ども未来塾)、日本語教室
https://wan.or.jp/article/show/7729
★Part2★
ヘルパーステーション「ワーカーズコレクティブ さち」、保育園くれよん
https://wan.or.jp/article/show/7737
★Part3★
高齢者施設「ポポロ戸室」、NPO「We Shop」
https://wan.or.jp/article/show/7766
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【インタビュー動画】も近日公開予定です。お楽しみに!
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【WANシンポジウム208@よこはまのご案内】はこちらから
★ご案内#1★今年も会いたい!
https://wan.or.jp/article/show/7683
★ご案内#2★チラシができました!
https://wan.or.jp/article/show/7777
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