中村さんへ

・戦後長く封印されてきた「戦争神経症は日本にあったのだ!!」という当たり前の事実を私たちに教えてくれた中村さんの地道な努力に敬意を表します。

・戦争体験者の声は忘れてはいけないし今も新たな戦後であるということを強く感じています。たくさんの力強いことばを残してくださり、感謝いたします。

・家でオヤジが、ちゃぶ台を返すようなDVシーンって、兵士経験を彷彿とさせるなとうっすら思っていたのですが、ご著書によってハッキリ見えてきた思いです。

・日本の皆に読まれるべき本だと思います。  軍隊は戦争中だけの問題ではなく、日常につながっていることと実感しました。

・カルテから資料を調べて、本にしてくださり、歴史に残せます。消えてしまったかもしれない事実を残してくださり、知ることができました。栄養面のこと、年金のこと、治療のこと、病気になって、戦えないと、自殺してしまった多くの人、息子が病気になって帰ると、それが許せなかった、親、家族、世間の目に負けてしまう現実が恐い、イメージとしていた事は小さく、現実はいくつもの影響に続き、つながっていると感じた。教えてくださりありがとうございます。

・自分をとらえて離さない記憶に苦しめられ、声を上げることすらできなかった元兵士たちの叫びをご本によって社会に届けた中村さんの功績はとても大きいと思います。ごく平凡な一般の人々の心の中にも、戦争による体験が入り込み影響を与える。戦争の持つ残酷さ、恐さを改めて認識しました。

・NHKを見ました。今回、戦争神経症のことを知り、知らなかったではすまされないし、なかったことにしようとしている人たちに怒りを感じました。戦争するための人をつくる教育は今も生きているのでこのような本やNHKの映像はとても大切だと思いました。

・ご著書を拝読して一番驚いたのが、戦争神経症患者の予後調査を戦後に行ったのが、目黒医師による研究だけだったという事実でした。戦後の日本で隠蔽され続けてきたこんなにも深刻な問題があったことを初めて知ることができ、戦争神経症という重大なテーマを認識することができました。

・戦後何十年も経ってから、その人の中での「加害の語り」が確立したり、また何十年もかけて変遷していったりということもあるということを伺い、一人のライフヒストリーの聞き取りによって浮かびあがる結果もとても興味深いと思いました。

・自分の経験を語ってもいいと思わないと語られないということで、やはり被害を受けた人がなかったことにされやすい構図があるのだと思いました。回復の指標が「働いていること」「結婚していること」という聞き取りもあったとのことで、たしかにそれだけが回復の指標にはなり難いのですが、ややもすると、それにとらわれがちになるので、自分の中で「回復」を考えていきたいです。

・新聞の番組表でETVの番組を知り、見ました。絶対に日本兵の心の病いはあるはず。隠されていると思っていましたのでようやく明るみに出してくれたと思っていました。よくぞ取り上げ研究して下さいました。10年くらい前に「冬の兵士」というドキュメンタリーがあり、半軍帰還兵のPTSDを取り上げたものでした。そこにも戦争と軍隊で精神がこわされた兵士の苦しみが証言され、共通したものがあります。戦争は人間に合わないものだと思います。これからも研究がんばってください。

・読ませていただいて、軍事心理学、戦争神経症への国、軍の対応が“戦場でいかに有効に活用できるか”ということのみに注力していたということが痛いほどよくわかりました。


彦坂さんへ

・明治期以降の学校教育と軍事教育の関連性、富国強兵の名残が今なお引き継がれているとの考え、推察が確かなものとなりました。丸山真男の「抑圧の移譲」がこの国の至るところにはびこっていること、むしろ強化されようとしていることに危機感を覚えます。子どもたちの世界にも浸食しています。ここで負の連鎖を立ち切らなければと強く思いました。

・最後のお話、「研究にも想像力が必要だ。想像力は人間にしかない」がとても印象的で心に残りました。トラウマは理不尽なことを当たり前だとする軍事教育から生じ、私的制裁は肉体的苦痛より精神的苦痛のほうがずっと大きい、それがトラウマになるというお話にも納得しました。

・人間には想像力がある。それをつかって追体験することができるという指摘はハッとしました。

・民族的な記憶の欠如をいいことに歴史的な事実を風化させようとしているということ、歪曲された記録を公的に残ることを妨げるために正確に事実を残すことが大事とのこと。政治的な意図によって書き換えが行われるなどあってはならないこと。私達にできることは何があるだろうかと考える。まずはできるだけ正しい知識を得ることだろうか。

・日本の教育は明治以降は軍隊を作るための教育というのは、そのような視点を感じずに過ごしてきたので、知らずに自分の中にも浸透してしまっているものもあるだろうなと思いました。男性も戦争やその後のトラウマの中で被害者で苦しんでいるのも伝わりました。追体験ができるのが人間だけという言葉もささりました。貴重なお話をありがとうございました。

・男性神話、読みます!ありがとうございます。知らない男性を知りたいです。

・初年兵教育とは(私的な制裁を含めて)限りなく理不尽なものだったというコト、この点に適応できるか否かが軍隊生活の分岐点というお話。改めて考え通したいと思いました。野田氏の『戦争と罪責』そういう視点から読み直してみたいと思いました。どうもありがとうございました。

・貴重なお話をしてくださり、ありがとうございました。「戦争の記憶を風化させてはいけない。事実を事実として残す」戦時を経験された彦坂さんのことばは重みがあります。慰安婦をなかったことにし、戦争を美化するような教科書が危ないと思います。私たちには事実を事実として残す責任があると思います。


信田さんへ

・以前、ご講演下さった際、戦争の後遺症と家庭の暴力についてお話いただけないかと、お伝えしたように記憶しています。あれから5年くらい経ち、今日の会が開かれていることに感銘を受けています。皆様の研究、臨床のお蔭です。私もできることを少しずつ続けていければと思います。戦争被害が何世代に渡って連鎖するのを止め、立ち切るため、親(母親)の苦難、葛藤の研究を続けていきたいです。今後ともご教授下さいますと幸いです。

・性暴力被害と戦争神経症の相似について、ずっと気になっています。

・戦争から、AC,DV等がつながっているとは。

・二重の否認、三重の否認といった、なかったことにする考えは根底に弱さがあるかもしれないと思います。(だから肯定できるというわけではない)戦争は非日常ではあるけれども日常と密接につながっているのだなあと思う。

・加害者の被害性をもって加害行為が許されるかというと、否、というコトバが強くひびきました。被害を容認することで、イデオロギーが崩壊する、だからこそ被害が否定される、という指摘も印象深いです。

・お話を伺いながら何年か前の朝ドラの「カーネーション」を思い出していました。ヒロインの幼なじみカンスケというちょっとどんくさいけど優しい青年が召集され、生きて帰ってきたけれど呆けたようないつもおびえたような状態になってしまう。そして二度目の召集にいそいそと出征し、死んでしまう。彼の母は長く悲しむが、戦後何十年もたって、戦争加害の話がTVなどで語られるようになってから「カンスケは軍でひどい目にあったのだと思っていた。でも違うんやな。カンスケはひどいことをしてきたんやな。」としみじみ言うのです。それを見て私は「深いなあ」と感じていました。今日はありがとうございました。