愛知県知多郡東浦町は、知多半島の北東部に位置する、人口約50,000人の町。平成30年に町制70周年を迎えるにあたって数多くの記念事業が行われました。その一環として、市民有志による「ひがしうら映画プロジェクト」が立ち上がり、映画の制作に取り組んできました。
町からの補助金、協賛金、クラウドファンディングなどで資金を募り、町内でオーディションや撮影も実施。ようやく完成した本作の第1回上映会が、2月24日(日)18時30分より、東浦町文化センターにて開催されます。今回、この作品への想いを、監督・脚本を担当された石丸みどり監督にお寄せいただきました。
市民映画『バリアフリーかあちゃん』によせて
『バリアフリーかあちゃん』は、ひがしうら映画プロジェクトから依頼された「多様性、他者受容」をテーマに、東浦町は徳川家康の生母「於大の方」の出生地でもあることを踏まえ、シナリオを書きました。「年齢、性別、国籍、障がい、LGBTなど、さまざまな社会のバリアを突き破る元気なかあちゃんのお話」です。
「違いを認め合い、誰もが持っている心のバリアを乗り越えて自分らしく生きる社会への応援歌」として、オーディションには多くの市民のみなさんにご参加頂き、2018年8月に東浦町内各地で撮影を行いました。
私は、シングルマザーとして2人のこどもを育ててきましたが、過去には、心無い言葉を投げかけられることもありました。また次男が発達障がいであることで、数々の偏見や屈辱も味わってきました。女性であることでの理不尽さも数々体験しています。だからこそ、このテーマは私自身にとっても大変やりがいがあり、同様に社会の中でさまざまなバリアに遭遇する方たちに向けての力強いメッセージとなるものにしたいと思いました。
さまざまな「ちがい」を知ること、多様性を理解しあうことから人が輝き、地域が輝く未来が作れるのではないか?それを、わかりやすく共感を得やすい映画という手法によって、多くの方に伝えたいと考えています。
本編は約40分。キャストはほぼ演技経験の無い一般市民です。撮影前に何度も稽古をし、本番に備えるうちに連帯感も生まれ、和気藹々とした現場の中でイキイキと演じていたのが印象に残っています。
市民映画というジャンルは、制作する「過程」が大切で、多くの人が楽しく「面倒なこと」を繰り返し行う中で、人の成長やつながりが生まれ、地域への愛着心も育ちます。そして、年齢や職業などの異なる多様な人たちが、「映画を創る」という目標のもとに理解しあうことができます。映画「バリアフリーかあちゃん」をご覧くださったみなさんが「優しい気持ち」になり、
勇気を持って一歩前に歩き出してくださることを願っています。(監督・脚本 石丸みどり)
石丸みどりプロフィール:一般社団法人ものがたりラボ 代表理事。「映画制作による地域デザイン」を行う地域プロデューサーとして、地域の魅力と可能性を表現したストーリーを創り、市民参加型映画制作とブランディングデザインを実践しています。
☆東浦のみんなでつくる映画「バリアフリーかあちゃん」第1回上映会☆
◆日時:2019年2月24日(日)18時開場、18時30分開演
◆会場:東浦町文化センター
(知多郡東浦町大字石浜字岐路10)
◆予告編は、以下URLからご覧いただけましたら幸いです。
https://www.youtube.com/edit?o=U&video_id=Re0_d0c8ceI

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