介護保険が危ない!
このままだと「制度の持続可能性」の名のもとに、
高齢者の在宅生活が困難になる?

介護保険の後退を絶対に許さない!1.14院内集会
〜バアサンもジイサンも家族も介護従事者も事業者も医療者も、み〜んな怒ってるぞお〜
2020年1月14日(火)15時~17時 衆議院第一議員会館地下1階大会議室
同17時〜18時 記者会見

NPO法人高齢社会をよくする女性の会(理事長・樋口恵子)と認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)(理事長・上野千鶴子)は共催で、
介護保険の後退を絶対に許さない!1.14院内集会を2020年1月14日(火)15時~17時に衆議院第一議員会館地下1階大会議室(千代田区永田町2-2-1)で開催します。
当日は、高齢者の在宅生活を支える訪問介護、訪問看護、訪問医療、および地域密着型サービスの専門職、事業者、利用者、家族が一堂に会して、介護保険の後退は絶対に困る、とそれぞれの立場から訴えるリレートークを実施します。
入場無料、予約は要りません。

なお終了後、同じ会場で17時〜18時に記者会見を行います、メディアからのご質問にお答えしますので、ひきつづきどうぞご参加下さい。

■実施の背景と目的―要介護高齢者の在宅生活を可能にする成熟社会へ

国の社会保障審議会介護保険部会および介護給付費分科会では「制度の持続可能性」の名の下に、介護保険の利用を抑制し、利用者負担を増加する方向へと改定案が検討されました。
この改定は、地域包括ケアにもとづいた高齢者の在宅生活の基盤を掘り崩すものです。
世論の抵抗を予期して、今回はその提案の多くは先送りされるに至りましたが、言い換えれば、世論の抵抗がなければ、この改定はこれからも進む可能性があります。
いったんは押し返したように見える改定も、油断できません。
これから先もねばりづよい抵抗を示さなければ介護保険はますます使い勝手が悪くなっていくことでしょう。
わたしたち、介護保険の利用者、介護家族、在宅医療・看護・介護の事業者、専門職、そして市民は、連帯して、以下の改定に強い反対の意を表明し、今後とも介護保険の後退を許さず、要介護高齢者の在宅生活を守っていきたいと考えます。

1)要支援はずしを許さない!

2005年改定で要介護1は要支援へと移され、2014年改正で要支援1・2の訪問介護とデイサービスが介護保険から外され、地方自治体が管理する「介護予防・日常生活支援総合事業」へと移行することになりました。これらの経過から、介護支援専門員(ケアマネージャー)が要支援と要介護とで変化することになり、連続性のあるケアプランが立てられないばかりか、地方自治体によっては受け皿にばらつきがあり、十分な対応が受けられない場合も出ています。軽度から重度まで状態の変化に応じて一貫性のあるケアを受けられるように要支援を介護保険に再度組み込むことが必要です。

2)要介護1,2はずしを許さない!

1)と同じように要介護1,2を地域格差のある「介護予防・日常生活支援総合事業」へ丸投げする結果になれば、上記と同じ問題が起きるでしょう。認知症の要介護認定が軽度に出る現状の判定基準では、要介護1、2は決して軽度者とは言えません。この改定が成り立てば、要介護者の在宅生活が成り立たないばかりか、要介護3以上に入居資格が厳格化された施設入所要件も満たさず、要介護1、2の人々は行き場がなくなります。また「自立支援」の名による介護保険からの「卒業」の強要は、利用者および家族を追い詰めるものです。

3)生活援助はずしを許さない!

政府は将来的には要介護3以上の重度者の身体介護に介護保険の利用を制限したい考えのようです。が、現場の人々は、生活援助サービスがあって初めて、在宅生活の継続が成り立っていることをよく承知しています。マニュアルのない生活援助の方が身体介護より難しいという専門職もいます。生活援助と身体介護の価格差を解消することが望まれているのに、かえって生活援助を介護保険からはずし、地域の互助サービスに委ねるというのはまったく無責任で許容できません。

4)ケアプラン有料化を許さない!

今回の改定案には、当初、ケアプラン作成料の一部自己負担化が盛り込まれていました。現在でもケアマネージャーはケアプラン作成料だけで独立性を維持することが困難で、事業所への所属を余 儀なくされ、そのために所属する事業所への利用者の誘導などが起きています。ケアプランを有料化すれば利用者のケアマネージャーへの利用抑制が必ず起こり、ケアマネージャーの独立性を支える条件がますます後退するばかりか、ケアマネージャーを抱え込んだ事業所や包括的サービスへの依存と密室化が進むでしょう。そうなればケアマネージャーが本来果たすべき中立公正な監督機能は失われます。

5)利用者負担率の増加を許さない!

2014年改定で「高額所得者」の負担割合が1割から2割へと引き上げられました。「高額所得者」とは単身で年収280万、税金や社会保険料を差し引けば月額約20万、決してゆとりのある生活とは言えません。その結果、現場では確実に利用抑制が起きています。低所得層のあいだでは1割負担でも利用抑制が起きているのに、自己負担率が1割から2割へ、さらに3割へと引き上げられれば、利用抑制が起きることは容易に予想できます。保険料を強制的に徴収されているのにサービスを使えない、という状態を招いてはなりません。

6)介護報酬の切り下げを許さない!

近い将来、介護報酬のさらなる切り下げが予定されていると聞き及んでいます。介護職の労働条件の低さはつとに知られており、すでに人手不足から介護崩壊が叫ばれています。介護職の賃金の原資は介護報酬、これが引き下げられれば介護の人手不足はさらに悪化し、地域に密着した小規模な事業の継続も危ぶまれるでしょう。その結果介護の社会化に反して再家族化が起き、介護離職による社会的な損失がいっそう深刻になるでしょう。

介護保険が成立してから20年、介護保険は改定のたびに後退に次ぐ後退を経験してきました。これ以上の後退を許せば、要介護高齢者の在宅生活は崩壊します。ここで関係者の強い反対の意志を示しておきたいと考え、この集会を実施します。

 
介護保険の後退を絶対に許さない!1.14院内集会

日時:2020年1月14日(火)15:00~17:00(14時半開場)
場所:衆議院第一議員会館 地下1階 大会議室(千代田区永田町2-2-1)
アクセス:丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前」1番出口徒歩3分/有楽町線・南北線・半蔵門線「永田町」1番出口徒歩5分/南北線・銀座線「溜池山王」5番出口徒歩8分
(議員会館の入口で荷物のチェックを受けたあと、係員がいますので入館証を受け取ってください、定員300名まで入場できます)
参加費:無料(寄附歓迎)予約不要

プログラム

第一部「介護保険が危ない!」緊急リレートーク15:00~17:00

開会挨拶 樋口恵子(NPO法人高齢社会をよくする女性の会 理事長)
リレートーク
袖井孝子(NPO法人高齢社会をよくする女性の会 副理事長)
沖藤典子(NPO法人高齢社会をよくする女性の会 副理事長)
大熊由紀子(国際医療福祉大学大学院教授 ジャーナリスト)
上野千鶴子(認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク 理事長)
小島美里(NPO法人暮らしネット・えん 代表理事)
惣万佳代子(NPO法人このゆびと~まれ 理事長)
中澤まゆみ(ケアコミュニティせたカフェ 代表世話人)
中野 一司(医療法人ナカノ会 理事長)
服部万里子(服部メディカル研究所 所長)
藤原るか(共に介護を学び合い・励まし合いネットワーク 主宰)
柳本文貴(NPO法人グレースケア機構 代表)
辻本きく夫(NPO法人ソーシャルケア清和会)
長尾和宏(長尾クリニック 医師)
野入美津恵(NPO法人おらとこ 理事長)
由利佳代(医師)
石毛鍈子(市民福祉サポートセンター 代表)
小竹雅子(市民福祉情報オフィス・ハスカップ 代表)
大野教子(認知症の人と家族の会・交渉中)
櫻庭葉子(京都ヘルパー連絡会・交渉中)
新田國夫(在宅医 交渉中)
その他在宅医療・看護・介護関係者
コーディネーター 上野千鶴子・柳本文貴
声明発表(大会参加者)
閉会挨拶 小島美里

第二部 記者会見 17:00~18:00

主催:NPO法人高齢社会をよくする女性の会/認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク
後援:宅老所・グループホーム全国ネットワーク/全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会/公益社団法人日本社会福祉士会/全国訪問ボランティアナースの会キャンナス/よりよい介護をつくる市民ネットワーク/NPO法人きょうと介護保険にかかわる会/京都ヘルパー連絡会/マイケアプラン研究会/NPO法人認知症予防ネット/富山ケアネットワーク/市民福祉情報オフィス・ハスカップ/NPO法人暮らしネット・えん/NPO法人アビリティクラブたすけあい(ACT)/在宅サポートながさきクリニック/一般社団法人だんだん会/特定非営利活動法人ソーシャルケア清和会/NPO法人 ACT・人とまちづくり/ACTたすけあいワーカーズ・コレクティブ連合/NPO法人 隣の会/一般社団法人介護離職防止対策促進機構(KABS)/NPO法人せかんどケアセンター高石/はたらく女性の全国センター(ACW2)/有限会社蒲公英(たんぽぽ)/ベグライテン(Begleiten)/市民活動団体ZUTTO-KOKO/NPO法人おらとこ/NPO法人いぶりたすけ愛/かくの木薬局 協力:NPO法人グレースケア機構

FB https://bit.ly/36MrAse
HP https://wan.or.jp/article/show/8666
連絡先 集会事務局 action@g-care.org