【筆者の許可を得て転載させていただきます】
未婚のひとり親への寡婦控除の適用拡大が12月与党の税制改正大綱によって決ま りました!(令和2年与党税制改正大綱 https://www.jimin.jp/news/policy/140786.html) ご報告させていただきます。(また下に寄付のお願いもあります)

 わたしたちは、長い間、未婚の母への寡婦控除の適用拡大を求めてきました。
 来年度(令和2年)の税制改正では、未婚のひとり親への寡婦控除の適用拡大 はほぼ満点言ってよい結論を得ることができました。
 これまでの長い長いご協力、ほんとうにありがとうございました。

 振り返れば昨年2018年の11月ごろ、わたしたちは、平成31年与党税制改正大綱 に「来年度に検討」と入っていたこと、厚労省から税制改正要望が出たこともあ り、「楽に実現できる」と考えていました。ですので、ロビー活動は11月末に始 め、はじめて厳しい状況を知り国会状況がわ かっていなかったことを痛感しました。

 2018年の12月の税制調査会の論議では、自民党は反対論が強く、公明党がほん とうにがんばって交渉した結果、「住民税非課税のところのみを平等にする」、 「未婚の母の特別給付金をつくる(単年度)」ことでやっと合意しました。

 2018年末。くやしさとともに、自民党にロビーするしかない。それだけはわかっ ていました。

【ロビー活動】
自民党の中で共感してくれる女性議員をみつけ、ロビー活動をしました。詳細は 省きますが
〇シングルマザーサポート団体全国協議会をキックオフさせ、全国の団体からの 要望を届けた
〇高等教育無償化で54万円の差が出ることを、資料にした(これは大きかった)
〇院内集会にたくさんの議員に来ていただいた
https://www.single-mama.com/topics_council/191105/
〇寡婦控除税制のわかりやすい資料をつくるなど、資料を作り届けた
〇未婚の母の100人アンケートで未婚の母の実情を伝えた
〇税制調査会のインナー会議のメンバーに働きかけた
〇児童扶養手当受給者に限定案が出てきたときはその問題点をわかりやすく資料 にして利用してもらった
https://news.yahoo.co.jp/byline/akaishichieko/20191206-00153841/

 共感してくださった木村弥生議員、稲田朋美議員など女性議員飛躍の会の女 性議員は、甘利税調会長やコアメンバーへの働きかけをし、妥協案が出てきたと きにも、それでは許さず、同等の制度をと最後まで主張しました。ほんとうにとてもきわどいところでした。

 12月10日、未婚のママたち、母子寡婦福祉会のみなさんと自民党本部に行きプ ラカードをもって「未婚のひとり親を」「差別しないでください」等コールする という初めての体験をしました。コールしながら泣いていた人もいました。

 ここに、これまでの取り組みの歴史をいれておきます。
【未婚のひとり親への寡婦控除適用拡大 年表案】
1997年   岡山市が保育料算出で寡婦控除のみなし適用を開始
2009年11月 千葉市が保育料と学童保育の利用料に寡婦控除をみなし適用
2009年11月 「婚姻歴のないシングルマザーに寡婦控除を認めないのは不当」と3人の女性が日本弁護士連合会に
       人権救済申し立て
2011年    宜野湾市 保育料等で寡婦控除のみなし適用(翌年那覇市などが続く)
2012年    那覇市、沖縄市、北谷町、うるま市、糸満市でも保育料において寡婦控除をみなし適用
2013年1月1日  日本弁護士連合会が前年12月に調査報告書をまとめ、1月11日に各自治体に要望書、
        1月16日に意見書を提出
2013年5月1日   各地方議会に寡婦控除のみなし適用を求める陳情を送り始める
2013年6月1日   八王子市が保育料、市営住宅家賃などで寡婦控除をみなし適用
      各地の自治体で保育料などのみなし適用が広まる
2013年9月4日   最高裁、婚外子の相続分差別に対する違憲判断
2013年12月12日   平成26年度税制改正大綱の検討事項に「寡婦控除について検討を行う」と入る
2014年1月16日    財務大臣政務官に「寡婦控除」規定の改正を求める要望書提出
2016年10月1日    公営住宅法の施行令改正 寡婦控除みなし適用
2017年12月  与党税制改正大綱に来年度に検討と入る
2018年6月    厚労省の方針により、全国で未婚のひとり親に対し保育料等25施策について寡婦控除の
        みなし適用を開始
2018年12月  平成31年与党税制改正大綱 自公協議により2021年より住民税非課税のみ適用、未婚の母
        への特別給付金制度を創設
2019年12月  令和2年与党税制改正大綱で寡婦控除税制が未婚のひとり親に適用拡大が決定


【オールメンバーで取り組んできた】
 年表にもありますが、今回の税制改正を成し遂げたのは日弁連の人権救済申立 の報告書と要望が出たあと、各地方議会に働きかけたことからです。
 最初に八王子市では、超党派で取り組んでくださり、そのリーダーシップを取っ たのは社民党や無所属の議員さんでした。国立市などもそうです。
 寡婦控除のみなし適用は、共産党の議員さんも、公明党の議員さんもたくさん 取り組んでくださいました。
 厚労省が25施策のみなし適用を決めたのは公明党の働きかけがあったからだと 思います。
 最後には強力に自民党の女性議員の方たちが結束して動いてくださいました。
 また、若いママたちがひとりで声をあげて自治体を動かした例も、大阪市や川 崎市などありました。
 さらに、全国母子寡婦福祉協議会もこの問題では一致して取り組めました。
 12年の歴史の中で、オールメンバーが取り組みました。これはお伝えしておき たいと思います。

【参考】
 稲田朋美議員の毎日の記事「未婚でもひとり親なら同じ大変さ 差別より支援 を」
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20191218/pol/00m/010/002000c

 地方議会で取り組んでくださった方たちも多くいらしたと思います。
 再度、皆様にお礼を申し上げます。
 ありがとうございました。

【最後に寄付のお願い】
図々しいとは思いますがお願いを書くのをお許しください。
しんぐるまざあず・ふぉーらむは、就労支援事業、相談事業、セミナー事業、な ど行っており、政策提言活動はその中の一部です。行政の支援はわずかで、寄付 が半分で運営しております。今回も日常の事業に支障がない範囲でとがんばりつ つも、やはり、なかなかそうはいかなかった部分があったと思います。
また、スタッフががんばりました。雇用しているスタッフであるからこそ、安定 して時間をとって動いてもらえるのです。
反面今年度は、財政的には大変厳しい状況が続いております。
先日おばちゃん党からご寄付をいただきまして、女性たちからの応援が本当にう れしかったです!
新入学お祝い金事業では、さらに1000万円の寄付を集めなければなりません。
いくらかでも結構ですのでご寄付をお願いできますとありがたいです。
https://www.single-mama.com/donation/

ご寄付の宛先
郵便振替
00170-4-152781
NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ

銀行振込
三菱東京UFJ銀行 高田馬場駅前支店
普通預金 番号 4536336
特定非営利活動法人しんぐるまざあずふぉーらむ

銀行振込・郵便振替でご寄付される場合は、
「寄付申込フォーム」 「FAX」「Eメール」いずれかよりご寄付の情報をお知らせの上、ご送金ください。

クレジットカードでの寄付
https://kessai.canpan.info/org/singlemama/

また各地のシングルマザーサポート団体全国協議会のメンバーも本当にがんばりました。
北海道から沖縄まで23団体です。
https://www.single-mama.com/council/
地元の議員への働きかけをしてもらいました。
お近くの団体をこれからもご支援ご注目ください。