「WAN基金コロナ禍対策女性連帯プロジェクト」では、2020年8月6日、助成第15号として 性暴力救援センター・大阪 SACHICOに、助成金を振り込みました。

性暴力救援センター・大阪 SACHICOは、2010年4月民間の病院内に開設された、日本で初めての本格的なレイプクライシスセンターです。
トレーニングを受けた支援員が24時間365日常駐し、電話対応の上、来所を促し、産婦人科医師とともに、診療・支援しています。
「同意のない、対等でない、強要された性的行為はすべて性暴力」として、誰からの被害か(他人から、親兄弟から、パートナーから、不特定多数からか)を問わず、総合的・継続的な支援を目指してきました。
2019年度までの10年間で来所した被害者の数は、実人数にして2483人にのぼっています。
緊急避妊ピルの処方や、性感染症検査、人工妊娠中絶手術、カウンセリング、弁護士紹介、精神科紹介など、被害からの回復に向けて提供されるべき支援は多岐にわたります。
しかしそのための被害者の経済的負担は大きく、その軽減を図ることは支援の中心的な課題です。
SACHICOでは、開設以来、公的支援金が乏しい中、民間の方からいただいた寄付などをもとに、被害者の経済的負担を出来る限り軽減する支援を提供してきましたが、最近はコロナ禍の中で相談・対応件数が増え、経済的支援が困難になってきているところです。

コロナ対策としての自粛が叫ばれる中、4月からの事案の中には、中学や専門学校の教師からのセクハラ被害、SNSでつながった相手の家に連れていかれた複数の被害、薬物を使われた複数の被害、パパ活での被害、ガールズバー店長からの被害、同棲相手からの被害、暴力夫と離婚協議中の妊娠被害、長年のDV被害から逃げてきた母娘の生活困窮とセクハラ被害、DV被害による生活困窮で奨学金返還困難などなど、女性が性暴力被害から回復し、安全な生活を取り戻すために、経済的支援が必要な事案が数多く含まれています。
このような被害者の支援に性暴力救援センター・大阪 SACHICOは取り組み続けています。

このような活動に対して、WAN基金運営委員会は敬意をもって助成を決定し、迅速に助成金交付を行いました。
WAN基金では、皆様からいただいた寄付を、次々にこのような「しんどい女性を支援する」女性活動団体に対して、 助成を進めています。