【女の本屋から】2020年冬から始まったコロナ禍は、私たちの暮らし方を大きく変えました。人に会わず、仕事も会議もリモートワーク。そんな家にこもる日々に、みなさんはどんな本を読んできたのでしょうか。
新しい本は新しい世界に私たちを連れて行きます。
「女の本屋」では、<ステイホームで読んだ本>というシリーズを始めました。
隣りは何を読む人ぞ――みなさまのご投稿をお待ちしています。
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①『学校が教えないほんとうの政治の話』 斎藤美奈子著 ちくまプリマー新書
冬休みの休暇中に高校生の親戚の子と、「君たち政治についてどんなこと考えてんの~?」と話でもしてみっかなー、と思い立ち、本を探してみました。そこで見つけた、当たり本はコレ!→『学校が教えないほんとうの政治の話』斎藤美奈子著 ちくまプリマー新書257。
コレだよコレ! そうだよそう!!
なんで政治の話をコソコソと話したり、政治に関心がないかのようなフリをしちゃうかっていうと、政治的に中立で~す!みたいにふるまうのがいい子? というような変な呪縛があるからなんだよ~。この本にははっきり書いてあるっしょ! 政治を語るときに不偏不党、中立公正、なんてありえへんの! それなのに学校でも家庭でも「キミのひいきのチームはどこ?」みたいなことは聞かないし、教えないし、これじゃあ、「子どもに政治に興味を持て!」なんていったって、全く興味は持てません!(私もそうやって育っちゃったんだ、くやしいことに) 教育現場では、そのような教育しかできんのです。
じゃあ、大人が子どもと政治について語り合うってことが平場で楽しくできるか? 子どもと政治について真剣に語る自信あります? わたしは、ありません。。。
だから、この本をたずさえ、この冬は中高校生、大学生の子たちと「政治って案外おもろくね?」と盛り上がってみたいのです。
◆定価 902円(税込) 発売日:2016/07/05
②『老いの落とし穴』 遙洋子著 幻冬舎新書
帯に「親の最後の姿から学ばない人は、バカだ。」と書いてある。
イタタタ、痛い。だってわたしの親は、絶賛介護保険にお世話になっていて、普段の父の生活は、要介護1でリハビリに通い風呂を介助してもらっている。日頃の介護は、まだ動ける母に任せっぱなしだ。
遥さんの数ある著作の凄さは、本の序盤、中盤、から終盤に向かってエネルギーがアゲアゲに上がってくること!
この新書は薄いが熱い。もっと遥さんの本が読みたくなって、すぐに2002年刊『介護と恋愛』(筑摩書房)を町に探しに。
あれっ?介護って、こーゆーふうに腹の底からエネルギーが湧いてくるものなの? 読後、確実にわたしの介護に対しての熱量があがっておりました。明日は父に美味しいものでも届けよう、母の愚痴を聞こう。
◆定価924円(税込) 発売日 2020/11/26
③『女たちのテロル』 ブレイディーみかこ著 岩波書店
図書館のジェンダーのコーナーでひときわ目立つ、赤や黄色のお花の表紙。
へー、ジェンダー棚に珍しいカッコイイ表紙!と手にとって驚いた。この赤く花が咲き乱れる表紙の本は、あのお堅いイメージの岩波書店からでているのか、ちょっとビックリ。。。
中身を読んで、二度びっくり! 何だなんだ、血がたぎってくるぞ、ヤバイ! この本。100年前の女たちの生き様に、バイブスに、血がわき体温があがっているわたし。100年前のフェミニズムのパイセンたちの熱量は、私たちに火をつけるぜ!
そんでもって、関連映画も見て、この年末休暇はアッチッチな、さよなら2020、こんにちは2021の年越しだぜ!
◆定価1980円 発売日 2019/5/31
(参考映画↓)
・映画『未来を花束にして』https://wan.or.jp/article/show/7017 1910年代のイギリスで婦人参政権を求めて闘った女性たちの姿を描いた作品
・『アイアン・エンジェルズ』20世紀初頭のアメリカを舞台に、男女平等の社会を目指して女性参政権運動を率いた活動家アリス・ポールの苦難の闘いを描いた伝記ドラマ
・映画『金子文子と朴烈(パクヨル)』
・映画『めぐりあう時間たち』https://wan.or.jp/article/show/3099
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