「女性参政権を活かす会」の富澤です。
勲章のあり方に賛同できない方も多いと思いますが、先月、フランスが功績をたたえた女性の選考はジェンダー平等を求める日本の女性への励ましでもあると思いました。
三浦まりさんは新聞などでも報道されご存じでしょうが、福島みずほさんと高橋政代さんは一般紙で報じられなかったようでしたので大使館HPに掲載されている3人の受賞理由を下記にお伝えします。
福島さんの功績は、政治家・大臣として死刑廃止など人権擁護の活動や業績の他、弁護士として従軍慰安婦問題に取り組んだことがセトン駐日大使から授与の際に言及されました。
要約した下記のHPの文でも明記されていますが、従軍慰安婦問題を認識し、重要視しているとのフランスからの日本政府への表明としても読み取れます。
三浦さんの功績では「女性の権利は大統領が任期中の最重要課題の一つに掲げています」と締めくくっています。今回の女性へのフランスの授与の意図に共感し、称賛したいと思いました。

***記***
在日フランス大使館のHP https://jp.ambafrance.org/-Japonais- より~

https://jp.ambafrance.org/-Japonais-より転載

福島みずほさん https://jp.ambafrance.org/article16962
福島氏は弁護士時代から従軍慰安婦問題に取り組み、問題の周知に貢献しました。1998年に参議院議員選挙で社民党から初当選し、2003年から2013年まで同党党首を務めました。2009年に社民党が連立政権に加わり、福島氏は内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全担当)として初入閣し、少子化対策や男女共同参画も担当しました。2020年に社民党党首に復帰し、現在に至ります。

 福島氏は政治キャリアを人権擁護に捧げてきました。その代表的な取り組みの一つが、日本における死刑廃止に向けた闘いです。

 福島氏はパリテやジェンダー平等の問題、死刑廃止、社会・家族政策について、フランスの事例を参考にしたり、これまで複数回訪問した経験があるフランスとの対話を重ねる中でヒントを見いだしたりしてきました。日本の市民社会を代表する多くの著名人の側に立った福島氏の積極的な取り組みは、日本とフランスの社会モデルの距離を縮めるとともに、両国を結ぶパートナーシップの基礎となる共通の価値観を強化することに寄与しています。

https://jp.ambafrance.org/-Japonais-より転載

高橋政代さん https://jp.ambafrance.org/article16958
網膜疾患分野の研究者で眼科臨床医の高橋政代博士は、再生医療分野で国内外から認められた著名な科学者です。

 世界で初めてヒトES細胞から神経網膜を分化誘導することに成功した研究チームの一員だった高橋博士は 2014年、iPS細胞から作った網膜の細胞を患者に移植する世界初の臨床研究の手術を実施しました。

 その一方で高橋博士は、神戸アイセンターの設立に尽力しました。これは眼科学と眼疾患に特化した神戸市立神戸アイセンター病院に、iPS細胞を用いた治療の開発を主な目的とする研究所が併設された総合的な施設です。

 高橋博士は2014年からパリの視覚研究所と科学セミナーを共同で開催し、再生医療分野における日仏科学協力の発展にも著しく貢献しています。在日フランス大使館が支援するこの科学セミナーの一つが2018年6月、理化学研究所多細胞システム形成研究センターの網膜再生医療研究開発プロジェクトとフランスの視覚研究所によって神戸アイセンターで開催されました。
 高橋博士は日仏科学協力に積極的に取り組んだ功績が高く評価され、今回の受章になりました。

https://jp.ambafrance.org/-Japonais-より転載

三浦まりさん https://jp.ambafrance.org/article16936  三浦氏は日本で女性の権利を促進するため、市民社会や政治分野において積極的に取り組んでいることで知られています。幼少期をフランスで過ごした三浦氏は、慶応義塾大学法学部卒業後、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校で政治博士課程を修了、東京大学社会科学研究所研究機関研究員などを経て、上智大学法学部教授に就任しました。女性の政治参画と代表制民主主義が同氏の研究の柱です。

 三浦氏はキャリアを歩む中で、パリテ(男女同数)とジェンダー平等の問題に深くかかわりました。政治参加を希望する女性を対象にした数多くの意識啓発講演会やワークショップの開催に貢献しました。女性団体の活動も支援し、2018年に申きよん氏とともにパリテ・アカデミーを設立しました。

 この分野を代表する有識者となった三浦氏は、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案の策定作業の一環として専門知識を提供しました。この法律は2018年5月に国会で可決されて成立し、同月に公布・施行されました。一方、日本が議長国を務めたG20では、エンゲージメント・グループ「W20」の委員を務め、G20大阪サミットに向けて女性に関する政策提言の策定に携わりました。

 三浦氏のジェンダー平等問題に対する取り組みは、日本だけにとどまりません。とりわけ政治における女性をテーマにしたラウンドテーブルをはじめ、在日フランス大使館が主催したイベントに複数回参加し、日仏交流の発展に寄与しました。そのほかにもアンスティチュ・フランセ日本が開催した日仏討論会に参加しました。

 2018年12月に行われた日仏交流160周年閉幕レセプションでは、日仏関係の証言者として、女性の権利促進に向けた強い意気込みを表明しました。女性の権利はエマニュエル・マクロン大統領が任期中の最重要課題の一つに掲げています。