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公民権運動の裏面を知る  『ミッドナイト・ララバイ』サラ・パレツキー

2011.03.09 Wed

[clearboth]アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.4Fミステリー(女性を主人公とする/女性作家による/訳者も女性で/女性読者に向けた海外ミステリー作品群)の先陣を切った、サラ・パレツキーの産んだ「ヴィク・ウォーショースキー」シリーズ。休筆が長く続いていたが、ファンを喜ばせてくれた再開第一作『ウィンディー・ストリート』に続く作品だ。

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.ひときわ正義感が強く身体的にもタフで、ここまでやるか、とファンですら呆れるヴィクの強情ぶりは相変わらずで楽しめるが、物語の鍵となっている60年代の公民権運動の挿話がひときわ興味深い。

パレツキーが実際に身近に体験した、1966年夏にキング牧師の提唱によりシカゴで行われたデモ行進がそのモデルとなっているらしいが、運動をたたかう黒人たちと、当時の警察権力や白人たちとの激しい反目や対立が、今回ヴィクの扱う事件の背後に隠れているのだ。それから40年以上にわたって隠されてきたものは何か、なぜそこまで沈黙が保たれてきたのか、、、。

事件そのものはもちろんフィクションだが、おそらく、そこに描かれる事情はアメリカの現実のいくぶんかを反映しているに違いない。「勝利」をかちとった公民権運動ではあるが、そこに至る苦難、今なお社会が抱える葛藤をいまさらながらに思い知らされる。
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パレツキーは、『沈黙の時代に書くということ—ポスト9.11を生きる作家の選択』を著し、右傾化するアメリカの知識人たちの現状に警告を発している作家でもあるが、ヴィクシリーズのこの新作は、エンターテインメントの形のなかに、彼女のそうした姿勢を知ることのできる作品にもなっている。(eureka)








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タグ:ミステリー / 公民権運動 / サラ・パレツキ−