2014.08.04 Mon
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.2014年7月1日の集団的自衛権を認める閣議決定は、おそらく日本の民主主義や立憲主義を語るうえで今後、戦後最悪の政治的事件、首相によるクーデタとして語り継がれていくのではないでしょうか。それほど安倍首相の政治的信条は、法学や政治学の「常識」からみると、恐ろしい逸脱であり、一国に生きる市民にとっては、平和に生きる権利という、もっとも大切な生活の土台を掘り崩すものだと思います。
ただ、安全保障の問題や立憲主義の問題は、ともすると専門家が知識や情報を独占してきた感があり、日常生活とは程遠い、しかも難しい用語ばかりが飛び交う領域のようで、政治学や法学に興味のない人からは敬遠されがちです。
たしかに、立憲主義は、政治思想や法思想、憲法学といった、高度に抽象的な学問領域のなかで議論されてきました。
安全保障は、さらに軍事用語や地政学、そして外交機密など、一般人からはあえて遠ざけられてきた分野でもあります。
では、安倍首相といった政治家はこうした領域について熟知し、理解したうえで、いまの暴挙に出ているのでしょうか?
本書を読めば、安倍首相の「いかなる事態においても、国民の命と暮らしは、断固として守り抜く」という、こぶしと共に語られた言葉がいかに、空虚なフレーズであるか、
安倍首相は、憲法の議論も、東アジアの外交・歴史も、そして恐ろしいことに、戦争をしたがっているくせに(いや、そうであるから、こそなのでしょう)、戦争のリアルも、
戦争がもたらす被害についても、まったく関心がないことに気づかされるでしょう。いや、かれには日々のわたしたち市民の生き様そのものに関心がないのかもしれません。
緊急出版であるにもかかわらず、これだけ多くの憲法学者・政治学者、そして元行政官などが寄稿したことが(総勢20人)、安倍首相のやろうとしていることが、市民の生活や生命を脅かし、未来の市民にたいしてだけでなく、過去の戦争の歴史、そして人類が築きあげてきた遺産としての「人類知」への破廉恥な攻撃であることを物語っています。
憲法学の第一人者のお一人である奥平康弘さんの「はじめに--平和主義を勝ち抜こう」に始まり、
なぜ、安倍晋三は首相に返り咲いたのか、あるいは、いったい何が彼を突き動かしているのか?という疑問をお持ちの方に応える
第一部 安倍政権は何をやりたいのか
憲法問題、第九条の解釈について学びたい方、集団的自衛権という平和主義への攻撃を危惧されている方に応える
第二部 立憲主義の破壊
集団的自衛権に象徴される世界観、外交史、思想史について触れたい方に応える
第三部 国際環境の変化と集団的自衛権
など、いま日本に暮らす市民が身につけておくべき知識がつまっています。
そして、本書を読めば、いかに安倍首相とかれを取り巻き支持する人々が、わたしたち市民の知力を見くびっているか、知そのものを見下げていることに
怒りを感じずにはいられないでしょう。今こそわたしたちは、知力をつけなければなりません。(moomin)
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