2012.09.24 Mon
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.作者は木原音瀬。「このはらなりせ」と読む。BL小説家のトップ作家。玉石混交のBL小説のなかで抜群の安定感があり、文章を読んでいて「心地よい」と感じられる希有な作家(わたしにとって)。その木原さんの代表作がこの『箱の中』、そして続編の『檻の外』だ。
痴漢の冤罪で刑務所に入れられた主人公と、ネグレクトを受けていた母親の罪をかぶって刑務所暮らしに慣れている相手方の執着的ラブストーリー。『箱の中』ではまだ二人は結ばれないが、切ない物語である。木原さんはおそらく、BLの枠を超えて活躍できる力量のあるひとだろうと思ってはいたが、BL小説がそのまま講談社文庫に収録されたというのは、ある意味、事件だろうと思う。
アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.
単行本化に合わせて、表紙のタッチも替えてある。下は以前の表紙(続編)で、それを描いた草間さかえもものすごく人気のあるBLマンガ家だ。彼女もまた、BL以外のマンガを描いている。
BLマンガとは異なり小説は最近売れ行きがあまりよくないという噂も聞く。実際に売り場も、マンガに押されて縮小気味だ。このジャンルの行く末と合わせて、面白い現象でもあると思う。しかし、BLというジャンル自体が解体していくとしたら、淋しい限りでもある。予定調和的でお約束に満ちてはいるけれど、それだからこそわたしはBLというジャンルを愛している。とりあえず、是非ご一読を(sen)。
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