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『希望の倫理―自律とつながりを求めて―』 岡野治子・奥田暁子編

2012.12.04 Tue

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.本書は、「フェミニスト倫理研究会」という小さなグループの女性たちによる、「3・11」によって見えてきた日本の社会構造の矛盾、とくにそのしわ寄せを受けている立場の人たち(「構造的弱者」)が抱えている問題点、及びそれを支えている既成の思考形態への批判・告発と脱構築の模索、そのうえで望ましい社会への提言と、未来への青写真を作成しようとする試みです。

各章の執筆者は、それぞれ独自の領域で、長い間、理論活動や実践活動をおこなってきた女性たちです。それぞれ、エコフェミニズム、性と文化の問題、民族的・文化的帝国主義による女性支配の問題、いのちへのキリスト教の視線、障がいをもつ子どもたちやホームレスの人たちへの支援活動、文学における女性解放、日本における宗教や集団の抑圧・同調主義の問題、宗教倫理問題やフェミニスト神学などに対して、根源的な関心をもっています。

そうした女性たちが集まり、「3.11とは何なのか」について何度も議論を重ねて、女性間、あるいはすべての人間の間にある差異を認め、尊重し、苦難に際して手を貸し合おうという新たな連帯性、新たな関係性―自律とつながり―を模索しました。

【目次】

まえがき(岡野治子)

Ⅰ 「小さな声」からはじめる

 1 「食」をめぐる「母たちの苦しみ」―フクシマとミナマタ― ・・・・・・・・・・・・河 上 睦 子

 2 風俗を考える―買売春処罰というアイディア ― ・・・・・・・・・・・・支 倉 寿 子

 3 一人ひとりの生とつながり― 中国の性暴力被害者と日本人が創ってきた関係・・・・・早 川 紀 代

 (コラム1)この世のどの富よりも価値のあるもの ・・・・・・・・・・・・土 居 由 美

Ⅱ 社会的排除から包摂に向けて

 4 「発達障害(者)」の増加は何を意味するか―共に生きる社会に向けて―・・・・・・・・牧  律

 5 ホームレスの人とはだれか―支援に関わって― ・・・・・・・・・・・・・横 山 杉 子

 (コラム2)マイノリティの存在が問いかけること

Ⅲ 日本社会に生きるということ

 6 百万葉のクローバー―生き難さと生きる意味  ・・・・・・・・・・・・・山 下 暁 子

 7 新しい共同性へ―集団同調主義からの脱却    ・・・・・・・・・・・・・奥 田 暁 子

 8 伝統的倫理観と〈いのち〉のゆくえ ・・・・・・・・・・・・・岡 野 治 子

 (コラム3)大切ないのちを守るもの

あとがき(奥田暁子) [共著者 河 上 睦 子]








カテゴリー:著者・編集者からの紹介

タグ: / 3.11 / ケア、正義、フェミニズム / 倫理