アクション

views

1109

働く女性の教養講座報告  越堂静子

2010.07.10 Sat

7月9日に、長年「労働相談」に携わって来られた、自治労全国労政・労委連絡会幹事の佐々力氏をお招きして、「有期雇用を考えよう」「働く事のしくみ&働く人たちのこれから」というテーマにて講演いただきました。
以下、ご講演のレポートをお送りします。まず、労働契約は、労働力の利用が目的の、人間関係が長く続くことを前提として、労使の信頼関係(誠実配慮の関係)が重視されるとのこと。
しかし、使用者が優越的立場に立ちやすいので,法律で労働者を守るため、労働法が存在する。

現在、職場には多様な雇用形態の労働者が混在し、立場のちがいなどから、
職場がギスギスし、うまくコミュニケーションがとれない。
H6年の労働相談は3600件、H21年には15000件。大阪府では110000件、全国では240000件にもなっている。
ナンバーワンは、やはり、雇い止め、派遣切りなど「解雇問題」。

契約社員、派遣社員、偽装請負など解りやすい説明で、今までファジーだった所も良く理解できました。

質問:
「職場環境」の説明のところで、私は、プラダ・ジャパンのボヴリース里奈
さんの、セクハラ裁判を引き合いに出して、「セクハラ、パワハラは、どの法律をバックにすればいいのか?」と質問しました。

回答:
セクハラが法的にきっちり書かれているのは「均等法」です。パワハラを禁止した法律はない。しかし、裁判で勝訴している例はある。
セクハラもパワハラも双方の裁判は、下記の民法を法的根拠としている。

◎民法709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
すなわち、使用者の不法行為責任のこと。労働者は故意または過失にて,人格権、人間の尊厳を踏みにじられ損害をこうむった場合、損害賠償を請求できる。

◎民法715条
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
企業の雇用してる人が、業務を行うなかで、第3者の権利を侵害した場合、
会社はその責任をもつ。

結論:
*会社には、労働者が安全で快適な職場で働ける環境を整える義務がある。
*最近、リストラのため人事部の人数が減少するなど、企業の中に問題解決
能力が低下している。人を育て公平に扱う機能の見直しが必要。
*尊厳ある労働、働きがいが持てる労働、人が働いている事が尊重される労使関係、社会の構築が重要だ。

カテゴリー:ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク

タグ:仕事・雇用 / 働く女性 / 越堂静子