2011.02.13 Sun
2011年2月5日(土)14:00~16:00
講師:岡野八代
岡野さんの講座はハードだ。
予定の時間を超えて熱く語っていただいた。
レジュメを読んだだけで勉強した気になっていたのだがあまかった。しっかり30年前に戻り学生になったような気分だ。
女性の貧困は変えられるかという私たちの出したテーマに、『愛の労働とあるいは依存とケアの正義論』を読み解きながら、過去の、あるいは現在のフェミニズムを検証しながら、語っていだいた。
連綿と重ねてきた、女性が、愛の労働を担ってきた2500年の時がある。
そして変えねばならないと多くの女性たちがあらゆる方向から闘い続けてきた歴史がある。
女性の参政権運動、母性の否定…。
かつて、働きたくても働けない、または自分が望んだように働けない自分がいた。
働いていないことに後ろめたい思いがした自分がいた。子育てしながら市民運動にかられた。「活動家専業主婦」ということばに自己肯定できた自分がいた。しかしどこかにいつも棘のようにささったものがあった。
家事労働に賃金を!ということにも納得いかなかった。
そして、女性の貧困、あるいは私の貧困という問題にいきあたった。
今回の講座ですこし答えをもらえたような気がする。
著者であるキティは24時間介護の必要なこどもがいるという。
そこの立ち位置から思想に、難解な話ではあったがストンと私のうちに入ってきた。
私自身が直視しなかった「愛の労働」あるいは「ケアの労働」を中心に視点を変えると、非常に明快に見えてきたものがある。私自身が、市場原理にどこかとらわれていたのだ。
ケアを必要とする人々が増えたいま、社会を変えるチャンスである。また「愛の労働」あるいは「ケアの労働」から社会をかんがえてみると、「社会」のイメージを根本から変えるほどの問題であるという岡野さんに強く共感し、この話が聞けるチャンスがあったことをよろこんでいる。
そして、ほぼ女性が担ってきた「愛の労働」あるいは「ケアの労働」が社会のなかで軽んじられることなく、公平にあつかわれ、正当な分配がされるしくみをつくりださねばならないことを痛感した。
私たちのだした「女性の貧困は変えられるか」というテーマにも一つの光がみえる。
2500年の歴史の前に怯んではいられない。
この本をしっかり読んでみる。
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