2013.01.29 Tue
1月の市民交流事業は、「つながれっとシアター&交流会」です。
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスを舞台にした映画、『オリンダのリストランテ』を上映しました。
上映後の交流会では、参加者の方々で感想を自由に分かち合っていただきました。
オリンダはイタリアからの移民です。彼女の店はどうもうまくいっていなくて、味付けに文句をつける客や、給仕がお皿を割ったなどといっては、その都度かんしゃくを起こすオリンダ。そのうえ、不動産屋に店を売る相談を持ちかけている状態です。そんなレストランに、恋人を追ってドイツからやってきた青年ピーターが訪れることから、ストーリーが展開していきます。
旅行の途中でお金を盗まれたピーターは、オリンダに助けを求めますが、オリンダはきっぱりと断ります。それでも最後はピーターの粘り勝ちで、豪雨の夜に彼は店のカウンターに寝泊まりして、恋人を探し始めます。
オリンダはピーターに出会ったことから、自分もまた恋人を追ってイタリアからやってきた若い時代を振り返るのでした。そうして、これからの自分の人生に大事な決断をする…というのが大まかなあらすじです。
赤いトマトをリズミカルに刻んだり、卵と粉をまぜて手早くパスタを作ったりと、おいしそうな調理のシーンがとても印象的です。レストランが舞台となっているのは、身体だけじゃなくて、心の滋養が映画のテーマになっているせいかと感じました。
冒頭、大声で怒りまくるオリンダの剣幕に、圧倒される感じがしていたのが、だんだんと小気味よくなってきました。そこまで怒れれば、あっぱれ、という感じ。女性監督によるシナリオで、女性が怒りの感情をストレートに表現することへの肯定を感じたせいかも。映画では、怒りだけではなくて、オリンダの面倒見のいいところや繊細な部分など、豊かな内面が描かれます。
上映後の交流会では、ほとんどの方々に参加していただきました。20分ほどの時間でしたが、4、5人ずつのグループで、初めて出会った同士でのおしゃべり会です。ブエノスアイレスに旅行したことがある方のお話や、おいしそうな料理についての感想など、様々なテーマがあったようです。
中でも、「同じ映画を観ていても、観る人それぞれの印象や感想が違って、それが興味深い」というご意見がありました。まったく同感です。一人ひとりが映画から何を受け取るのか、また共鳴するのかというのは大きく違いますよね。それを知れることもこの交流会の醍醐味かも。
その一人ひとりが違うという、多様性を等しく尊重するというのが、男女平等参画の1つの重大なテーマであることをお伝えして、交流会が終了しました。
見ず知らずの人同士で、観た映画の感想を分かち合うって、想像以上に素敵なものですよ。
次回のつながれっとシアター&交流会にも、どうぞお気軽にご参加ください。
(塚田 恵)
カテゴリー:参画プラネット