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回答11:回答 小島妙子弁護士

2012.09.12 Wed

 

上司による暴言は,あなたに対する不法行為になり,校長があなたから被害申告を受けたにもかかわらず適切な措置を取らず解雇したことは,職場環境配慮義務に違反する違法な行為であり,不法行為が成立します。

民間企業の場合には,民法715条による使用者責任と併せて,加害者個人に民法709条にもとづく損害賠償を請求することができますが,公務員が職務上行った不法行為については,国又は公共団体がこれを賠償する責任を負うことになっており(国家賠償法1項1項),公務員個人は責任を負わないというのが確立した判例です。

そこで,あなたの場合,校長や上司を相手取って損害賠償を請求することはできません。

 

あなたの場合,地方公共団体を相手方として労働審判を申し立てることをお勧めします。労働審判は,公務員を一方当事者とする任用上の紛争(身分の得喪,懲戒処分,配転など)については,民事に関する紛争として対象になりませんが,セクハラやパワハラを受けた被害者が提起する損害賠償請求(国家賠償法にもとづく損害賠償請求)などは,公法関係上の紛争ではないとされ,労働審判制度を利用できます。

上司や校長を直接の相手方とすることはできませんが,労働審判の中で,加害者を利害関係人として参加させて調停手続の中で解決を図ることが可能です。

当事者に弁護士である代理人が付いている場合,労働審判の調停成功率が高いので,弁護士に依頼することをお勧めします。

カテゴリー:回答 / 小島妙子弁護士

タグ:くらし・生活 / セクハラ / no.11 / 法律相談 / 小島妙子 / 不法行為 / 加害者 / 損害賠償請求 / 労働審判 / 被害申告 / 職場環境配慮義務 / 上司による暴言 / 使用者責任 / 民間企業 / 公務員 / 国家賠償法 / パワハラ / 利害関係人