エッセイ

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女性差別撤廃委員会(CEDAW)報告No.1    越堂静子

2009.08.02 Sun

 7月23日開催のCEDAW日本政府レポート審議会に参加するためWWN(ワーキングウィメンズネットワーク
http://wwn-net.org/)
から、兼松原告、住友メーカーおよび岡谷鋼機元原告を含め、総勢23名がニューヨークへ出発。CEDAW委員へのロビイング活動や国連前でのビラまきなど、大いに活躍しました。

 今回のCEDAWにはNGOから84名のオブザーバー参加者があり、この参加人数は史上最高です。<20日のCEDAW非公式ブリーフイング>
 本会議前に、CEDAW委員へのNGOからの非公式ブリーフイングが20日(月)の3時から4時30分まで開催されました。近年、審議国はAグループとBグループにわかれたチエンバー制となり、23人のCEDAW委員が、2組に分かれ、同時進行にて審議が進められますが、この日は、合同で一同に介し、CEDAW委員にむけて、NGO代表からスピーチします。

 各国10分の発言時間で、日本からJNNCの大谷弁護士がスピーチ。WWNの訴えの部分になると、兼松の原告の逆井さん小関さんが、バナーをもって立ちました。委員たちから質問が出されます。パッテン委員からは、「均等法・指針の雇用管理区分のインパクト、特にコース別制度における女性差別の実態は?」という質問。「そら、きた!」と、私は回答を用意しはじめましたが、時間切れで私の回答まで順番が回ってこず、残念でした。

<22日 NGO・ランチタイム・ブリーフイング>
 さて、22日はCEDAW委員にむけてのランチタイム・ブリーフイングでした。日本のNGO44団体を組織しているJNNC
(日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク
 http://www.jaiwr.org/jnnc/)
が主催し、CEDAW委員を迎えて、日本のNGO17団体が発言しました。

 選択議定書批准、教育、農村、マイノリテイ女性、婚外子、雇用など、女性へのあらゆる差別の問題をCEDAW委員に訴え、翌日の政府への質問に取り上げてもらえるように、プレゼンします。1時間30分ばかりのランチタイムの間に、プレゼンと委員からの質問&回答をこなさねばなりません。JNNCでの打ち合わせ通り、各NGOは、2分間発言を、しっかり遵守しました。

<WWNのプレゼンテーション・・・ By Ms. Okada>
 WWNから、通訳の岡田さんが、「WWNは、民間企業から、兼松、住友、岡谷鋼機、建設会社など、23名のメンバーが参加しました」・・・このとき、私たちは席をたって一礼し5秒間その場に立ちました。「兼松の55歳の女性は、27歳の男性の賃金を超えることはできない。この間接差別のコース別制度を容認する指針・雇用管理区分の削除を、是非、フォローアップ項目に取り上げて頂きたい」とプレゼンしました。

 会議が始まる前に、JNNC代表の山下泰子さんから、20日の非公式ブリーフイングにて時間切れにて回答ができなかった、「均等待遇アクション21」
(http://www15.ocn.ne.jp/~kintou21/)
と、「WWN」に優先的に回答を行うよう、配慮ある提案があり、越堂は、CEDAW委員にむけて回答する機会を得ました。

 このランチタイムでも、中国選出のZou委員から、「雇用管理区分の内容をもう少し詳しく説明を」という質問がありました。

<WWNからの回答・・・ By Ms. Koedo>
「一昨日のパッテン委員と今日のZou委員の質問にお答えします。指針・雇用管理区分のカテゴリーは、民間企業に働く女性の平等を阻害します。委員の皆さんに配布したホルダーのピンクのタグのページには、雇用管理区分の定義が書かれています」と原稿を読み上げました。

 ここから、私は原稿を離れ、大阪弁イングリッシュでしゃべりました。
「この指針は、均等法制定以降、英訳されたことがありません。私には、政府が隠したがってるように思う。今回、この指針はWWNにて英訳しました」「このフォルダーには、均等法、指針、ILO報告、2003年のCEDAW勧告などすべてをセットしている。何故、民間企業で平等が進まないのか、このフォルダーで全て分かります」と、フォルダーを上に掲げて力説しました。途中で、時間を知らせるパットがたたかれ、「兼松のことを言わなくちゃ」と、あわてたため原稿の違う行を読んでしまったりするなど、最後は支離滅状態になったのが失敗でした。「でも、すごい、迫力で訴えたよ」と、WWNのメンバーのやさしいフォローに感謝!

(こえどうしずこ WWN代表)

カテゴリー:ちょっとしたニュース

タグ:越堂静子 / CEDAW