シニア女性映画祭・大阪2015特集 ウーマン・リブ45周年
“今も、私たちはリブ”

これまで、シニア女性監督の作品/シニア女性が描かれた作品を上映してきた「シニア女性映画祭」。今年は、ウーマン・リブ45周年を記念し、リブたちが選んだ、次代に伝えたい作品を上映します。本邦初上映もあり、いずれも見逃してほしくない作品ばかり。主催者である「Sister Waves」のメンバーお二人からの、本映画祭のスタートにあたってのメッセージをご紹介します。
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私たちは単に映像の上映だけを目的としているのではありません。私たち女性が互いに誇りを持って生きるために、映像を通して女たちが出会い、語り合い、歴史を見直し、女の目線からの女の文化を作って行く場にして行きたいのです。(2002年11月29日 山上千恵子)/女たちのやっていることを伝え、それを忘れないために、そしてそれをともに分かち合い、あらたな波を起こすために、この映像祭はある。(三木草子)(いずれもウェブサイトhttp://sister-waves.fem.jpより抜粋)
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あなたの心を動かす何かに出会える、そんな映画祭になると思います。ぜひ、お出かけください。(中村奈津子)

【日 時】2015年11月14日(土)~15日(日) 11:00より
【場 所】すてっぷホール(とよなか男女共同参画推進センター
 阪急宝塚線 豊中駅下車 エトレとよなか5F
【入場料】前売り 800円、 当日 1000円
 中学、高校生は無料。車椅子・同伴者は半額。
【定 員】上映毎148席 入れ替え制 
【プログラム】
<<11月14日(土)11:00~2本上映。いずれも本邦初上映!>> 
『そして多くの女たちが… ―バルセロナのLaSal―』
( 制作フランチェスカ・ボンメソン女性文化センター /ドキュメンタリー/26分/ス ペイン)
1975年11月、フランコの死とともに36年間にわたるスペインの独裁が終った。19 77年、民主選挙がおこなわれ、その年、フェミニストの伝統があるバルセロナに ブックカフェ「LaSal」が開店。女たちの文化、政治の場となり、多くの女たちが参加 。
『女たちの反逆 ―トルコの女性解放運動』
(監督:メレク・ウズマン /ドキュメンタリー/57分/トルコ 英語版あり)
1970年代後半、トルコでは政治が混迷しテロが横行、80年9月12日軍事クーデター が勃発。左翼の大学教員は大学から追放された。 集会禁止令がある中、81年、ば らばらに存在していたフェミニストたちはひそかに意識向上のグループを開始、 それは他の女たちにも広まった。左翼男性の壁を乗り越えて、やがて力強い女性 運動が誕生。
<メレク・ウズマン(Melek ÖSzman)>
1974年生まれ。大学卒業後、テレビで働く。その後、女性独立シネマなど、女性 組織の設立に参加。2001年にトルコのフィルモア女性映画祭の設立に参加、作品 に「クリトリスって何?」他。

<<11月14日(土)14:20~>>
『ルッキング・フォー・フミコ』
(監督:栗原奈名子/ドキュメンタリー/57分/1993/日本 英語字幕)
監督はニューヨークで自由な女性、ウーマン・リブのフミコさんと出会い、 日本 のウーマン・リブを探す旅に出る。様々な人生を生きてきた女性たちの 暮らしぶ りから、リブの女たちの姿がみずみずしく描きだされた パーソナル・ドキュメン タリー。
<栗原奈名子>
大阪府出身。ニューヨーク大学パフォーマンス学科で博士号を取得。その間に、 93年に「ルッキング・フォー・フミコ」、日本に戻り、08年「ブラジルから来た おじいちゃん」制作。

<<11月14日(土)15:45~16:50>>
『30年のシスターフッド ―70年代ウーマン・リブの女たち―』
(監督:山上千恵子・瀬山紀子/ドキュメンタリー/60分/2004/日本 英語字幕)
70年代、女であることの生きにくさを声にし、社会の求める「女」の枠組みを超 えて自分の生き方を探して来たウーマン・リブの女たち。今もシスターフッドで つながり自分らしく生きてきた12人のリブたちがどのようにリブと出会い、何を 求めたのか、それぞれの当時の思いを語るドキュメンタリー。
<山上千恵子>
80年からビデオ製作をはじめ、01年「Dear Tari」ソウル女性映画祭観客賞。山川 菊栄などのドキュメンタリー制作。海外女性映画祭で上映。01年から10年まで女 性映像祭・大阪で活動。
<瀬山紀子>
「ビデオ塾」、「連連影展FAV」メンバー。作品:「こーゆう生活がしたかったの 」(00年)

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特別企画トーク 14日(土)17:00~
「70代が語るリブ45年―果てしなくリブ・ロードはつづく」
舟本恵美 佐伯洋子 吉清一江 山上千恵子
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<<11月15日(日)11:00~ 短編2本上映>>
沖縄戦の記臆 『沖縄戦の少女たち』
(影山あさ子・藤本幸久監督/ドキュメンタリー/22分/2014 / 日本)
1945年3月の沖縄戦で12万人以上の県民が亡くなった、9万4千人は軍人ではない 一般の住民だ。当時、目の見えない母親と幼い弟を連れて、戦場を逃げまどった 島袋文子さんは15歳。親戚や家族と一緒に、壕から壕へ逃げ続け、摩文仁の丘で 米軍の捕虜になった仲程シゲさんは16歳。忘れてはならない体験を語る。島袋さ んは今も辺野古基地反対と座り込みをする。
<影山あさ子>
「ラブ沖縄@辺野古@高江」(12年 )「笹の墓標」「圧殺の海ー沖縄・辺野古」藤 本幸久監督と共同監督。
『ビルマに消えた慰安婦たちー1997年5」月~1998年9月現地調査の記録』
(取材・構成:森川万智子/ドキュメンタリー/22分/1999/日本)
1942年3月から45年初頭まで日本軍によって、全土を支配されたビルマ。あまり知 られていないビルマの日本軍「慰安婦」と慰安所の実態を、文玉珠さんの証言、 残留日本兵や、地元の人々などの聞き取りと、発掘した資料から明らかにした。 14カ月にわたる現地調査の報告である。
<森川万智子>
慰安婦問題研究家。韓国やビルマの慰安婦への聞き取り調査結果を?著書やビデオ にまとめている。1996年度山川菊栄賞受賞。

<<11月15日(日)14:00~15:20 本邦初上映>>
『レズビアナ ―もうひとつの革命―』~トップの写真は本作品より~
(監督:ミリアム・フォジェール/ドキュメンタリー/63分/2012/カナダ 原語英語)
1970年代の女性解放運動から生まれて1995年ごろに終わりを迎えたラディカル・ レズビアンの運動を、その担い手であり、革命的なシスターフッドを創造した米 国・カナダの作家、哲学者、活動家たちを訪ね歩き、インタビューしたドキュメ ンタリー。生い立ちから運動までを振り返って率直に語る、70代、80代になった 勇気あるパイオニアに、「ありがとう」といいたくなる作品。
<ミリアム・フォジェール(Myriam Fougère)>
ケベック出身。彫刻、映画、写真、詩作などのマルチアーティスト。1987年より 5年間ニューヨークに住み、東海岸レズビアン・フェスティバルを組織。ケベック の助成金を受けて制作された本作品は各国の女性映画祭で上映。

●前売り予約申込:sister-waves&qc.fem.jp &→@に。
●当日受付にて清算 *チラシ持参の方:前売り 800円にて
●一時保育(1歳から小学3年生まで)11月7日まで。要予約。
 (保育申込:sister-waves&qc.fem.jp &→@に)

下記写真、左は『30年のシスターフッド ―70年代ウーマン・リブの女たち―』より。右は『レズビアナ ―もうひとつの革命―』より。