エッセイ

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名古屋から盛岡へ 赤沢千鶴

2013.11.18 Mon

 次回のWANシンポジウム2014は、来年5月、盛岡で開催されます。
今年開催の名古屋のおいしいお店、来年開催の盛岡のおすすめのお店をご紹介しましょう。

『胡豆昆(ごずこん)』

 名古屋地下鉄鶴舞線丸の内駅1番出口より徒歩1分、料理研究家・加藤敏彦氏プロデュースのお店です。店名の由来は『胡麻・豆・昆布』というだけあって、身体に優しいお料理の数々に癒されます。

伺ったきっかけは自治大学校の同窓会でした。市町村職員女子47人が3週間の研修で固く結ばれ、全国7ブロックを持ち回りで毎年開催しています。

自治大学校とは

戦後、新しい憲法の制定により「地方自治の本旨」に基づく地方自治制度が確立され、地方行政の民主的、能率的運営を図るため、地方行政の運営を直接担う地方公共団体の職員に対する高度の研修を行う機関が必要とされました。このような中で、地方公共団体の要請に応えて、自治大学校設置法が制定され、昭和28年10月、自治大学校は、地方公務員に対する我が国唯一の中央研修機関として設置されました。それから、約半世紀、優秀な人材を輩出し続け、卒業生の多くが地方公共団体の幹部職員として第一線で活躍してきました。(総務省自治大学校ホームページより)

  「晩ごはん」から少し離れて、自治大学校の研修について触れたいと思います。市町村職員係長級の研修は第2部といって3ヶ月コースですが、受講生が男子に偏っていたため、第2部特別という女子向け3週間のコースが平成8年度から始まりました。

初年度はお試しコースでした。1期生のカリキュラム・時間割に対する厳しい評価が、翌年度の研修内容に反映されました。そのお陰で、2期生の私たちは過密スケジュール、容赦ない研修内容に鍛えられ、寮長さんによって後輩たちに語り継がれるほど「お勉強」をしたのでした。15年間欠かすことなく同窓会を続けてきたのは、そんな体験を共有した仲間だからだと思うのです。

今では3週間コースに男子も入ってきているとか。男子だって職場や家庭の事情で3ヶ月の研修は無理という人もいるのですから、男女共同参画社会基本法がお役に立ったのでしょうか?

北陸・東海ブロックの幹事が名古屋での開催を決めたのは昨年10月。中心となって宿泊・宴会・オプションツアーを企画してくれたSさんは、昨年11月に『胡豆昆』で食事をして大満足したものの、日曜日が定休日だとわかって残念と思ったら、そこに店主の加藤先生がいらしたそうです。ダメもとで事情(全国から集まる、研修同期の女性だけ20人ほどの会である)を話すと「良いですよ!お引き受けしましょう!!」と定休日に貸切での宴会を受けて下さったそうです。

ところがその一ヶ月後、加藤先生の訃報が報道されました。すぐに予約の件について確認することもできず、年が明けてから恐る恐る問い合わせたところ「大丈夫お約束は守りますから」と言われホッとしたそうです。

今回の参加者は24人。お店ではマイクも用意してくださり、幹事から加藤先生との出会いなど経緯について報告があった後、美味しいお料理・お飲み物をいただきながら各自の近況報告を聞き、笑いあり涙ありの2時間はあっという間に過ぎていきました。

最後に店長の中西敦子さんがマイクを取りご挨拶がありました。昨年、加藤先生が急逝してどうしようかと思った時、真っ先に浮かんだのが幹事のSさんの顔だったそうです。「10月の予約を受けていたので、それまでは頑張ろうと思って、今までやって来ました。」と言われたのです。久しぶりに心を打つ良いお話に感動しお店を後にしました。

豆コース(8,000円)をいただきました。付出し-前菜-汁-造里-野菜鉢-強肴-凌ぎ-もう一皿-留汁-御飯-甘味と続いて出ましたが、とっても身体に優しいお料理ですので、す~っとお腹に入っていきました。

                       


付出し:胡麻豆腐
金胡麻で作った香ばしい胡麻豆腐。おだしもとっても良いお味です。

 

留汁:呉汁
合わせ味噌のお味噌汁に、どろどろにすりつぶした大豆(これを呉といいます)をくわえているそうです。煮干しのだしがさらに味を引き立て、ほっとさせてくれる一品です。

『彩四季(さいしき)』

 私がかつて勤務していた「もりおか女性センター」にほど近い紺屋町にあります。その名の通り、四季折々の旬の食材を使った割烹料理店です。

どんなお店(ホームページより)

みちのく岩手の中心に位置する盛岡は、その地理的・地形的特長から春夏秋冬のメリハリのはっきりしたところです。近くには豊富な海産物が水揚げされる三陸海岸、八幡平・岩手山などの雄大な山懐で収穫される山菜や高原清浄野菜など多彩な食材があります。

城下町盛岡は400年の歴史を誇り、その中でも彩四季のある紺屋町は江戸時代に建築された「ござ九」などの古い町家や番屋の残る、風情のある街並みを保っています。裏手には、夏にはあゆ釣りが楽しめ、秋には鮭の遡上する清流中津川があり、川原には忘れな草が群棲し自然環境に恵まれたところです。また、官公庁にも近く、疲れた心と体に、明日の糧を補充する、もってこいの場所です。

このような場所に店を構える、味処「彩四季」は、一人のチットうるさい板さんと、明るくキップの良い姉さんと、優しく可愛いエクボのミッちゃんの三人がお店を切り盛りしており、いつも笑顔で迎えてくれ、何時間いても飽きないお店です。最近の世の中は、隣の人も分からない殺伐とした世の中となっておりますが、「向こう三軒両隣」という日本古来の好ましい習慣を思い出し、「袖摺りあうも多少の縁」という本来の人間としての関わりを持てるお店です。(常連N山記載)

彩四季 このカウンターに座って「おまかせ」すると、気合いが入った「おすすめ料理」が出て来ます。

とんかつ人気メニューのアツアツとんかつです。

折爪三元豚佐助ロース300gの厚くて熱いとんかつは少々時間がかかりますのが待ってた甲斐がある一品です。

「WAN総会&シンポジウム2014」は来年5月24日(土)、岩手県盛岡市で開催されます。内容が決まり次第ご案内いたします。初夏の盛岡も山の幸が豊富です。どうぞお出かけください、お待ちしております。

赤沢千鶴(2014年総会&シンポジウム実行委員長)

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シリーズ「晩ごはん、なあに?」は、WANの運営ボランティアに集う人々によるリレーエッセイです。 食べることは生きること。 さまざまな人たちがWANの理念に賛同し、実際にサイト運営に関わっていることを、皆さんに知っていただければと思っています。

シリーズ「晩ごはん、なあに?」は、毎月月末にアップ予定です。 今までの「晩ごはん、なあに?」をまとめて読むには、こちらからどうぞ!

カテゴリー:晩ごはん、なあに?

タグ: / 赤沢千鶴 / 盛岡

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