2011.07.11 Mon
【朝日カルチャーセンター★受講生レポートNO.5】「日本のフェミニズム」連続講座
★日本のフェミニズム:第3回/『性役割』★2011/6/25 井上輝子先生
性役割は、フェミニズムのキー概念。なにしろフェミニズムは、固定的な性役割への批判からはじまってます。
そのため、性役割が教育される過程は『ジェンダーと教育』に。社会にどう描かれているかは『表現とメディア』に。労働現場での性役割については『権力と労働』の巻に。また母親というのも性役割のひとつでそれは『母性』の巻に。つまり『性役割』は、他の巻を数珠つなぎに紹介できてしまうテーマのようで、「…朝カル第一回目は『性役割』がよかったんではないか」、とさえ思いました。
「性役割」の例に出される、主婦役割、妻役割、家事役割、ケア役割、というのは、どうも古色蒼然と感じます。主婦といっても働いてる人は多いし、介護といっても、息子の介護ってよく聞くし。「お茶くみ」OLなんて、とりあえず見たことないし。
団塊ジュニアの世代だからでしょうか、「性役割は、家庭によりけり、会社によりけり」に思えてしまう。働きだしてから実は性役割がすごく強い会社だったとか、結婚したあとでそういう価値観の男だったとか、あとになって気づいたら、すごーくいやだろうなぁ、という、「あるかもしれない落とし穴」のひとつが「性役割」って気がします。
でも、リブ世代・団塊世代の女性は、その前後の世代と比べても、自営・雇用で働くことができず、ひたすら専業主婦が多いとのこと。「いまイメージできる「女性の性役割」の、典型を生きたのがこの世代です」、という話は印象的でした。
彼女たちは、女性にとって社会全体が「落とし穴」みたいだった時代を生きたので、ウーマン・リブが福音だったのでしょうか。
性役割が、だいぶ緩和されてきた事例として、井上先生は、スーパーのレジ打ちに男性が多くなったことをあげました。初めは「男の人のレジは、手際がよくないから並びたくないなぁ」と避けてたのが、いまはまったく気にならなくなった、とのこと。
帰りの新宿駅で、そういえばJRは、女性運転手や女性駅員が多くなったなぁ、と気がつきました。しかし、21世紀もだいぶ過ぎてきたのに、こんなこと気がつくとは。JRってそんなに男ばっかりだったの??と、二度驚きました。
■杵渕里果(受講生)
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