2018年4月には、無期転換の資格を得た労働者が申し出れば、雇用主はそれを承諾しなければならなくなる。(労契法18条)
前回、前々回に引き続き、この制度が周知徹底されていない現状の中で、期限直前になって、有期雇用者の無期転換をまぬかれようとする 事例について、当事者の声を直接お届けしてきた。
ご本人のご承諾を受け、以下渡辺照子さんの資料「今回の雇い止めがはらむ問題」全文を転載する。
前回はこちら https://wan.or.jp/article/show/7720
前々回はこちら https://wan.or.jp/article/show/7703
転載ここから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2018 年2⽉22⽇ 院内集会 資料 今回の雇い止めがはらむ問題 派遣労働者 渡辺照⼦
私、渡辺照⼦は、地球科学総合研究所を、2017 年 12 ⽉月末をもって雇い止めされた。それまで 16 年8ヵ月勤務していた。

★2015 年に派遣法が「改正」されるまでの契約業務は「事務用機器操作」
専門的知識や技術を必要とする業務としての専門 26 業務のうちのひとつ
専門業務ゆえ、受け入れ期間の制限がない なので、派遣であっても長年の勤続が「可能」
実際は女性正社員の「一般職」の代替 電話応対等の庶務・雑務も引き受ける 女性に多い派遣形態
専門性ない「名ばかり専門職=専門擬制」
★派遣法 40 条 6 に違反 全体の業務において「事務用機器操作」以外の業務が 1 割超の実態
労働契約申込みなし制度が適用できると思っていた
★2015 年「改正」派遣法によって専門業務が廃止。よって、上記の違法状態が合法化
★2015 年「改正」派遣法によって 3 年後の 2018 年 10 月にはこれまでの派遣先を移る可能性が発生
★だが、2018 年 4 ⽉月労働契約法 18 条により無期転換ルールの行使可能なはず その前の雇い止め 「有期労働契約の反復更新で生じる雇い止めに対する不安の解消」との立法趣旨に反する

★同法労働契約法 19 条の「雇い止め法理」に違反 事務職という恒常的業務・16 年8ヵ月の間、3 カ月契約を反復更新 する更新回数の多さ、勤続年数の多さ、口頭のみで更新の意思確認をする簡便な手続き。等が更新の合理的期待の構成要件
★派遣労働者であるという理由で賞与・手当・退職金・交通費・忌引きは全くなし
労働契約法 20 条(不合理な労働の禁止)違反
派遣先・派遣元企業の無期雇用・直接雇用の従業員には支払われている
★派遣元企業パーソルテンプスタッフは 2 度の団体交渉において「配置転換権により派遣労働者には交通費は支給せず」 と回答
★派遣先企業 地球科学総合研究所は一切団体交渉には応じず(2月)22 日朝、社前行動を展開
「派遣労働者は何年働こうが、関係ない」(地球科学総合研究所取締役兼総務部⻑)

地球科学総合研究所で派遣労働者として勤務してきた 16 年8ヵ月の間には、一カ月 100 時間近い残業をし、
さらにその残業時間を 3 分の1にせよとのサービス残業の強要、幾多のセクシュアルハラスメント・パワーハラスメントがあり。
過労で派遣先で倒れ、救急車での入院。⇒労働者としての尊厳を踏みにじる人権侵害
自費で 10 個の資格を取得しても時給は上がらず、努力しても評価されず
★3カ月更新のため、いつでも雇い止めにビクビク 労働組合の加入は不可能
雇い止めにあって、初めて派遣ユニオンに加入 労働者は労働組合に加入しないと労働者としての権利行使は不可能
よって、ほとんどの派遣労働者は無権利状態
既述したような派遣先・派遣元による違法行為・状態に罰則規定の欠落、あるいは潜脱・脱法が横行する実態の放置 問題 転載ここまで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・