
WAN会員の皆さまにはおなじみの牟田和恵さんが、新著『ここからセクハラ!』(集英社)を出版されました。以下は、岡野八代さんによるその紹介文です。
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えっ、そんなつもりじゃ・・・これがセクハラ?
牟田和恵『ここからセクハラ!――アウトがわからない男、もう我慢しない女』
『部長、その恋愛はセクハラです!』で、いかに世間のセクハラについての「常識」が間違っているのかを丁寧に、多くの事例に基づいて説明してくれた牟田和恵先生。七章構成の各章すべてに、とても有意義な教訓を書き留めておいていただいたにも関わらず--例えば、「ほとんどのセクハラはグレーゾーン、真っ黒だけがセクハラではない」(第二章)など――、『部長!』が公刊されて5年経ってもなお、残念ながら、日本のセクハラ事情に多くの変化はみられません。いや、日本社会・政治の中枢部にはいまだに、ジュラシックパークの悪夢のごとく、「セクハラ」なんて言葉も存在していなかった昭和時代の遺物が生息していることが明らかになったのが、今年2018年でした。
牟田先生いわく
「日本のトップによる一連の絵に描いたようなセクハラフルコース発言(しかも連続のオウンゴール )に、「一体これはいつの話なのか・・・昭和か?」と、時間が30年以上も逆戻りしたかのような、衝撃を受けました。同時に、なぜこうも政権中枢の人たちがセクハラ問題への無知をこれでもかと堂々と繰り出してくるのか。塞がらない開いた口を塞いで、今一度、考えなければならない時だと思いました」(6)。
そこで、再度、満を持して、新たな事例とともに(プラス、さらに良く分かる漫画付き)、「エリートがなぜ?ジュラシックパークの住人たち」の生息実態(第二章)、女性たちの、切実なセクハラ除けの事例など(第三章)、牟田先生が懇切丁寧に、セクハラの穴にどうして、こんなに多くの男性たちがはまり込んでしまうのかを、解説してくれているのが本書です。
セクハラの解決策――単純に聞こえますが、頑なに拒まれる「謝罪」、やっぱり必ずしないと問題はさらに深刻化します――や(第五章)、職場以外、とくに家庭内でのセクハラ(!)の事例(第六章)、そして、最新のSNSに待ち受ける危険(第七章)など、『部長!』をすでに読んだ人も、読んでいない人――男女ともに--、是非とも手にして欲しいと思います。
〈あ、こんな場合はやっぱり抗議していいんだ〉
〈あ、この反応はじつは、「止めてください」という声なんだ〉
〈あ、この恋愛は、勘違いに違いない〉
など、職場で劣位に置かれたひとにとっては勇気づけに、職場で部下に命令する立場にあるひとにとっては自分自身を省みるよい機会に、なるに違いありません。 (岡野八代)
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著者のご好意により、この本を会員3名の方にプレゼントいたします。ご希望の方は、メールの件名に「牟田さんの本希望」と書き、本文にお名前、住所、メールアドレスか電話番号を明記のうえ、npo@wan.or.jp 宛てにお送りください。先着順で、発送をもってお返事に代えさせていただきます。
なお、応募は現在NPO法人WANの会員である方に限りますので、ご注意ください。
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