シネマラウンジ

映画と女性と社会をつなぎます。フェミニズム、ジェンダーを視野に入れつつ、映画をとおして世界の女性の多様な生の現実にふれ、ともに語りあえるような交流の場をめざしています。新作映画評、エッセイ、対談・座談会、女性監督の言葉など、映画とさまざまに関わる女性たちの〈声〉をお届けします。

映画を語る

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『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』 Girls, be ambitious.  中村奈津子

2019.10.12 Sat

19世紀ロシア、サンクトペテルブルグ。14歳になる貴族の子女サーシャは、父母と3人で暮らしていた。大好きな祖父は、1年前に北極航路の探検に出たまま行方不明となってしまい、捜索船が出たものの行方が分からずにいた。そのため、祖父の名が付けられる予定だった科学アカデミーの図書館も開館されず、ロシア高官の父は、地に落ちた家族の名誉をなんとか取り戻

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ

『第41回ぎふアジア映画祭』開催のお知らせ  山田祥子 

2019.10.10 Thu

2019年10月13日(日)~11月30日(土)の期間に、「第41回ぎふアジア映画祭」が開催される。インド、ラオス、ミャンマー、シリア、ブータン、タイ、中国、韓国、日本などを舞台にしたアジア映画が合計15本上映される。ここで、作品のいくつかをご紹介したい。 ~~~~~ 『バジュランギおじさんと、小さな迷子』(インド)は、インドからパキス

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カテゴリー:イベント

「あいち国際女性映画祭2019」参加レポート  山田祥子

2019.10.09 Wed

『あいち国際女性映画祭2019』が9月4日(水)~8日(日)に開催され、国内外の女性監督作品を中心に33本の映画が上映された。 『雪子さんの足音』(日本)は、吉行和子さんの「私、とんでもないバーサンが演りたい!」というメッセージから制作がスタートしたのだという。 ――雪子さん(吉行和子)は月光荘の大家で銀髪の老嬢。文化的な女性で、何歳

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カテゴリー:イベント

『バオバオ フツウの家族』 そこにある愛を、ただ認めるだけのこと  中村奈津子

2019.10.06 Sun

「バオバオ」は中国語で「宝宝」と書き、「赤ちゃん」を意味する。本作は、台湾出身でロンドンに住んでいる二組の同性カップルが、互いに協力して「妊活」をする物語である。台湾政府が1976年に創設した映画の脚本コンペで、2015年に優秀賞を獲得した脚本の映画化だ。 台湾では2017年に、憲法裁判所に相当する司法院大法官会議が「同性婚を認めないの

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ

『第三夫人と髪飾り』「女の生」を強いられた女たち  中村奈津子

2019.10.01 Tue

19世紀の北ベトナム。美しい渓谷の先にある、絹の産地を治めている大地主ハン(レ・ヴー・ロン)のもとに、14歳のメイ(グエン・フオン・チャー・ミー)が嫁いできた。一族が暮らす大邸宅には、婚期が近づいてきた一人息子のいる第一夫人のハ(トラン・ヌー・イエン・ケー)と、3人の娘をもつ第二夫人のスアン(マイ・トゥー・フオン)がおり、メイはそこで第三

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る