シネマラウンジ

映画と女性と社会をつなぎます。フェミニズム、ジェンダーを視野に入れつつ、映画をとおして世界の女性の多様な生の現実にふれ、ともに語りあえるような交流の場をめざしています。新作映画評、エッセイ、対談・座談会、女性監督の言葉など、映画とさまざまに関わる女性たちの〈声〉をお届けします。

映画を語る

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『バオバオ フツウの家族』 そこにある愛を、ただ認めるだけのこと  中村奈津子

2019.10.06 Sun

「バオバオ」は中国語で「宝宝」と書き、「赤ちゃん」を意味する。本作は、台湾出身でロンドンに住んでいる二組の同性カップルが、互いに協力して「妊活」をする物語である。台湾政府が1976年に創設した映画の脚本コンペで、2015年に優秀賞を獲得した脚本の映画化だ。 台湾では2017年に、憲法裁判所に相当する司法院大法官会議が「同性婚を認めないの

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ

『第三夫人と髪飾り』「女の生」を強いられた女たち  中村奈津子

2019.10.01 Tue

19世紀の北ベトナム。美しい渓谷の先にある、絹の産地を治めている大地主ハン(レ・ヴー・ロン)のもとに、14歳のメイ(グエン・フオン・チャー・ミー)が嫁いできた。一族が暮らす大邸宅には、婚期が近づいてきた一人息子のいる第一夫人のハ(トラン・ヌー・イエン・ケー)と、3人の娘をもつ第二夫人のスアン(マイ・トゥー・フオン)がおり、メイはそこで第三

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ / 映画を語る

映画「一粒の麦」が完成・公開されます

2019.09.20 Fri

荻野吟子の半生を描いた映画「一粒の麦」が完成・公開されます。 現在でさえ、医学部進学に差別が隠されていたりしたわけですが、 明治時代に医者を目指して奮闘した荻野吟子の姿は、現在の女性達にエールを送るものになると思います。 詳しくはこちらの記事をどうぞ。 公式ホームページはこちらです。

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カテゴリー:マスコミが騒がないニュース / ちょっとしたニュース / 新作映画評・エッセイ

米騒動100年映画『百年の蔵』 歴史に埋もれていた「魚津女の心意気」  中村奈津子

2019.09.13 Fri

「米騒動(こめそうどう)」は、広辞苑(第7版)によると次のように書かれている。「1918年(大正7)7~9月、米価の暴騰のため生活難に苦しんでいた大衆が、米の廉売を要求して米屋・富豪・警察などを襲撃した事件。富山県魚津に起きて全国に波及し、労働者・農民を主力とする未曾有の大民衆暴動に発展、軍隊が鎮圧に出動した。この事件で寺内内閣が倒れた」

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ

『トム・オブ・フィンランド』 表現と存在の自由を求めたアーティスト  中村奈津子

2019.09.10 Tue

フィンランドのゲイ・エロティック・アーティスト(注1)、トム・オブ・フィンランド(本名:トウコ・ラークソネン、1920-1991)。黒のレザージャケットに身を包んだ、筋骨たくましい男性をエロティックに描いた作品が有名だ。彼の作品はゲイのイメージを塗り替え、フレディ・マーキュリーやアンディ・ウォーホル、写真家のロバート・メイプルソープ、マン

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カテゴリー:新作映画評・エッセイ