2011.11.04 Fri
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私たち一人ひとりがかけがえのない存在で、その人に備わる何かや、持っている何かではなく、存在しているだけで尊いと感じること、
人間の尊厳とは、そのように私たちに感じさせてくれる価値、としか表現しようのないものだ。
しかし、そうした尊厳が一人ひとりに備わっていることを、ケアリングを通じて私たちは体得していくと説く本書は、一見難解な尊厳に関する多くの倫理書を平易に読み解き、尊厳の在り処(ケアリング関係の間に宿る)を示してくれる。
ケアの倫理とはいかなる可能性を秘めているのか、正義論との関係は?
一筋縄では説明できないケアの倫理や生命倫理の問題について、一筋縄で解けないところが、私たちの生の豊かさや尊厳を反映しているのだと説得的に論じてくれる本書は、ケアの倫理について考えるさいの必読書となること間違いなしである。とくに、生命倫理の問題は、いつもモヤモヤが残るが、私たちの日常からくる「直観」の一種の正しさを分かりやすく説明してくれるため(ただし「直感」とは違います。この部分の説明だけでも多くの人に読んでもらいたい)、読後感も、スッキリである(moomin)。
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タグ:本 / ケア、正義、フェミニズム / ケア
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