
向井 承子著 『「記憶」のなかの戦後史』を刊行いたしました。
本書はノンフィクション・ライターの向井承子さんが隔月刊誌『くらしと教育をつなぐWe』に6年にわたって連載してきたものに書き下ろしを加え、一冊にまとめたものです。
大空襲下を逃げ惑い機銃掃射を浴びながら生き延びて、焦土となった東京から北海道に逃れた6歳の女の子は、GHQの実験校となった中学での生徒会活動を通して民主主義教育の洗礼を受けます。
すぐに始まる逆コースの時代、大学での60年安保闘争、高度経成長前夜の政治に翻弄される県庁勤務を経て上京。紹介状を手に幼い二人の子の手を引き日本婦人有権者連盟を訪れ、戦前から婦人の権利獲得運動をたたかってきた市川房枝や大先輩たちの活動に身を投じます。
やがて子育てや老親介護を通して老いや病、障害などの課題に直面し、先輩たちの思いを引き継ぎながら、ノンフィクションライターとして、生活者だからこそ見えてくる問題を追って、つぎつぎと世に問い続けてきました。
戦後史の節目となるような局面に身を置いては書き留めてきた貴重な記憶の数々…。
世界各地の紛争が呼び込む戦争の凄惨な映像がテレビに映し出されながらも、この地での戦争経験がよそ事のように遠ざかってしまったいま、とくに若い方たちに語り伝えることができれば、とその思いで綴られたものです。
どうぞご一読ください。
よろしくお願い申し上げます。
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