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ふたり、であることの意味 『レズビアン的結婚生活』『ふたりのママから、きみたちへ』 東小雪・増原裕子

2014.01.11 Sat

アマゾンのサーバでエラーが起こっているかもしれません。一度ページを再読み込みしてみてください.ふたり、であること。カップル、アベック、ユニット、対(つい)、つれあい、パートナー、いろいろな言い方で、二人で生きていくことをわたしたちは、表現してきました。だけど、あるとき、ある場所で、twoness --二人である状態、というくらいの意味でしょうか--という言葉のなかに、one という言葉をみたときに、二人であることの孤独を感じたことがあります。いくら分かり合えていても、二人きり、であることの孤独はどれほどのものだろう、と。

東小雪さん、増原裕子さんは、東京ディズニーランドで、二人一緒にウェディング・ドレスを着て結婚式を挙げたことで話題となった、レズビアン・カップル。

『レズビアン的結婚生活』は、二人がお風呂場でのふとした会話のなかから、ディズニーランドで結婚式を挙げようと思い立つことから、始まる漫画です。二人は、それはそれは、お風呂のなかでは仲の良いカップルです。

二人は共に、レズビアンであることに悩み、その悩みを友人にもなかなか打ち明けられず、葛藤しながら大人になります。レズビアンと一言でいっても、もちろん異性愛のひとにもいろいろな経験をもつひとがいるように(いや、そういうひとしかいません)、千差万別・多種多様。二人がレズビアンであることで感じた孤独も、その経験はまったく異なるのです。

お二人が、とても幸せそうに、真っ白なウェディング・ドレスを着るまでの、その長い道のりを是非とも、味わいながら読んでください。二人の孤独がまったく異なって経験されているために、二人には乗り越えなければならない試練がたくさん待ち受けています。当然ですが、レズビアンだっていろいろなのです。

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ひとによっては、なぜ結婚式?と思うかもしれません。結婚式なんて、伝統的に〈・・・家〉と〈・・・家〉との悪しき家制度の名残だと。ただ、二人が異性愛家族に育ち(多くの、LGBTの人たちは、自分を理解してくれないだろうと思われる家族のなかで育ちます)、両親や友達にカムアウトし、そしてみなに、自分のパートナーを紹介し認められるその場をみなで共有できる喜びは、ふたりきり、ではやはり困難な生活を強いられてしまう多くの人にとって、素直に受け入れたい喜びのように思います。

なお、同時期に発売された、『ふたりのママから、きみたちへ』は、異性愛社会の閉じられがちな家族を開いていく新しい希望について、未来にやってくる新しいひとである子どもたちを間にして、二人の書簡形式で語られる、新しい形の家族の物語です。是非とも二冊同時にお読み下さい (moomin).








カテゴリー:わたしのイチオシ / moomin

タグ:LGBT / / 同性婚 / レズビアン / 東小雪

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