5月21日(土)、東京、城西国際大学紀尾井町キャンパスにて、WANシンポジウム2016「人間らしく、働きたい!ーわたしたちのディーセント・ワーク宣言」を開催しました。共催には城西国際大学、また、後援には厚生労働省、国立女性教育会館他さまざまな団体さまからのご協力をいただき、多くの方に会場にお運びいただきました。参加者は、総勢180名。大盛会となりました。

【事例報告】
 まずは、各地のディーセント・ワーク研究会から、報告がありました。新潟研究会からは、「課長、『24時間働けますか』のヘビロテから解放されてください!」と、ゆとり世代からの提言。名古屋研究会からは、「育児時間もライフに組み入れられたら、いつ休むの?」と、ワーク・ライフ・バランスの限界の指摘。横浜・東京研究グループからは、現在の労働環境が、強靭な肉体や精神の持ち主のみ活躍できるような環境になっているという、厳しい指摘。各地で、ディーセント・ワークを自分自身のこととしてとらえ、活発な議論が行われた様子が伝わりました。事例報告してくださった方々のお声が、シンポジウム参加者の皆さんのひとりひとりの現実と共鳴し、「ディーセント・ワーク」は「わたし」の課題であるということが、会場に、しっかり届きました。

【パネリストによる報告と討論】
 パネリストの方々のご報告では、鴨桃代さんから、これまでの雇用慣行の温床でもあった「日本型平等」と決別し、「ディーセント・ワーク」を、労働者の働き方の「ものさし」にしようというご提言がありました。正社員の労働も、非正規の労働も、質は違うがともに劣化しているというご指摘、労働者それぞれの異なる立場への想像性をはたらかせて、働き方を変えていこうという、力強いお言葉をいただきました。大槻奈巳さんからは、職務格差を解消し、ジェンダーに中立な人事制度を作ろうというご提案をいただきました。「10年やって一人前」など、なんとなくの決まりごとや、「転勤」などの職場慣行が、実際には、女性を職場から排除する力となって働いていることを、ご自身の調査から示してくださいました。弁護士の三浦直子さんからは、実際問題としての過労死・過労自死をなくすためには、8時間労働の原則に立ち返る必要があるとの、切実な問題のご報告をいただき、また、現行制度の中でも、使える制度は使おうとの、積極的なご提案をくださいました。緒方桂子さんからは、非正規労働に見られるように、女性労働者の問題は、いずれ、男性労働者もぶち当たる問題であるというご指摘があり、そのうえで、現行の法律のなかでも生かせるところは生かし、そして、語り合い方・話し合い方をかえていこうというご提案をいただきました。最後、原ひろ子さんには、女性の働き方だけでなく、男性の働き方も変革が必要との提言をいただきました。原さん自身の次世代へのあたたかな想いがあふれるお話でした。

【グループワークと発表】
 その後は、なんと、総勢180名でのグループワーク。各地研究会や、パネリストの方々から提案された、合計24の「ディーセント・ワーク優先課題」の中から、今すぐ、「わたし」や「あなた」が、取り組める、または、取り組むべき最優先課題を、グループごとに選び、投票! 一番多くの票を集めたのは、「オトコ社会のルールにNO!競争、自己顕示、覇権をめぐるゲーム…男社会のルールに、女も男も縛られているから、ディーセントに働けないのだ!」でした。

 グループワークでは、参加者の皆さん全員が、発言し、理解を深めて、「ディーセント・ワーク」実現に向けて、「わたし」は、「あなた」は、なにができるのか、真剣に考えてくださいました。その熱気のすごかったこと!24個掲げた、「ディーセント・ワーク優先課題」は、どれをとっても重要で、選びきれないとのお声もありました。また、それぞれの立場や状況でも、すぐ取り組める、または、取り組むべき課題も異なってくると思います。そんな中、みなさんグループで一票を投票してくださり、ありがとうございました。

 今回シンポジウムに足を運んでくださった皆さんが、それぞれの最優先課題を、それぞれの生活の場で、また、職場で、実践してくだされば・・・ディーセント・ワークが「当たり前」の社会へと、少しずつでも、動いていくのではないか、そんな希望を抱かせてくれる、シンポジウムでした。お運びくださった皆さん、ぜひぜひ、WANサイトに、みなさんの「ディーセント・ワーク優先課題実践報告」をお寄せください!みなさんのお声をいただくのを、楽しみに、わたしも、いま・ここで、変革への参加に取り組んでいきます。そうそう、小学生のあやちゃんが、「わたしのディーセント・ワーク宣言」で書いてくださったように、「みんなが笑顔」になれるよう、そんな社会を目指して。

WANシンポジウム2016 実行委員長 虎岩朋加

来年のWANシンポジウム2017は、北海道札幌市で開催します。来年、札幌でお会いしましょう!