
アステージ(明日のステージ創り手)メンバー
第1期生は、16人。
「動けば変わる。社会は変わる。」プロジェクト(主催:レッツ・アステージ、共催:WAN)で、WANシンポジウム2017@北海道・札幌のレポーターを務めました!
「自分ゴト」の半径が3メートルから30メートルに広がる瞬間を実感したメンバーからのレポートを連載します。
アステージ・メンバー第1期生
菅原亜都子(すがわら あつこ)
今回、実行委員の一人としてシンポジウムに関わることができたため、この報告書では、実行委員会での経験を通して得られたことをまとめることと致したい。
①共に育つことを体験できた
お世話になっている方の言葉で好きな言葉がある。「まちづくりは一緒に年を取ることだ」。
私は男女共同参画センターの職員をしているが、私の仕事もまた、センターに来る女性たちと「一緒に年を取ること」だと考えるようになった。センターの仕事はともすればイベントやセミナーの企画屋になりがちであるが、私が大切にしているのは、継続的に関係を作り、そこでお互いの成長や変化を認め合い、フィードバックをし合う、絶え間ないコミュニケーションである(もちろん長い付き合いの中で、ライフイベントやもう気持ちの問題からコミュニケーションの量が増減する、そんな幅があることがまた楽しい)。
今回の実行委員会は、工藤遥さんとの2人からのスタートであった。私はこの実行委員会で、工藤さんと共に育つことができたと思うし、仲間が増えてからは仲間の中で育ち合うことができたように思う。
そして、この関係はこれからも継続していくであろう。5月末には実行委員会の振り返り会がある。そこで、また互いのフィードバックを送り合い、次のアクションにつながるステップとなることを楽しみにしている。
②「社会運動」を再定義、提案できた
今回のシンポジウムのテーマを「社会運動」にすることは、比較的早い段階から決定していた。しかし、読書会で学びを深めたり、実行委員会でタイトルを設定したり、多様な年代の方々と意見を交換する中で、なかなか「社会運動」は難しいと感じるようになった。
そもそものイメージしていた社会運動は、「Girls Power」に代表されるような新しいカタチの社会運動であった。SNS で共感を拡げたり、楽しみながら笑顔で行進するような社会運動であった。
しかし、残念ながら私はその景色をみたことがない。自分の周りで行われている社会運動は、難しく固く、ヒラヒラしたスカートを履いていっては怒られてしまうのではないかとビクビクしてしまうようなものが多い。読書会の中では、年長の方の「社会運動の成功体験」が語られ、自分の考える社会運動とのギャップに不安になった。
しかし、今回の演者の方々のお話はどれも勇気付けられるものであった。新しいテクノロジーを活用していたり、共感を拡げる手法に納得感が大きかった。
シンポジウムに参加した友人から感想を聴くと「社会運動って遠い話だと思っていたけれど、社会運動って私がすでにやっていることだった。これって社会運動だったんだね」と言ってくれたのが嬉しかった。
私たちはすでに社会運動を十分にしている。小さな自分の活動が3メートル先や社会に繋がっていることに気づくことが今回のシンポジウムの一番の提案であり、それは少しでも参加者に伝わったのだと思う。
普段からシンポジウムの企画や運営は仕事の中で慣れているはずであったが、今回のように多様な方々が関わり、アンコントロールな状況も多いからこそ、突破できたことが多かった。
実際、反省点も多いが、反省点の多くは実は細かな小さな問題だとも思っている。
今後実行委員会を担っていかれる方々には、ぜひこれからもノイズを起こしていってほしいと願う。満足度の高いシンポジウムより、モヤモヤが生まれたり、気持ちがざわざわするような…。これからも、社会を変えていく力の一片として、WANの活動に関わっていきたい。
山田千聡(やまだ ちさと)
初めての北海道上陸、そしてWANシンポジウムへの参加。慣れないことが多く、緊張しながら会場の席に座っていると、隣の席にやって来た女性が話しかけてくれました。「あなたが履いている靴、キラキラしていて綺麗ね」。心地よいピアノの音色を聴きながら、お気に入りだったビジュー付きの靴を褒められ、気分が良くなった所でシンポジウムの開幕を迎えました。
まずは『そろそろ「社会運動」の話をしよう』の編著者・田中優子先生の基調講演。昨年購入済みの本でしたが、名古屋での勉強会に一度も参加できず、自分の中で内容を消化し切れていませんでした。
そんな中、田中先生のお話の中で最も心に留まったのが「行動するための知性」という文言。知性を持つこととは自分について理解し、他人に理解され、そして受け入れられることだという田中先生の主張が、教育現場で「自分ゴト」や「他人ゴト」に興味を持たない学生と触れ合い、危機感を覚えていた私の胸に響きました。
社会問題の解決に必要な視点を教えてもらえる学生の恵まれた状況を羨ましく思う反面、自らの意思で変化や行動を起こす力を育めない若者が多いという残念な現状の表れでもある気がして、複雑な心境になりました。
続いて、「社会を変える」実践の具体的事例をお持ちである4名の女性たちが登場。まさに四者四様の思考と方法論をお持ちで、刺激的な議論をしてくださいました。
各々の発表後に行われた観衆による「投票」には否定的な意見もありましたが、大規模なシンポジウムの場で自分の意見を気軽に表明できる機会を頂き、会場の皆さんと共有できる喜びを味わえたという点で、非常に興味深い試みだったと思います。まさに「自分ゴト」の半径が3メートルから30メートルに広がった瞬間でした。
会場を後にする際、隣の席の女性と再び言葉を交わしました。「あなたも履いている靴のように、ずっと輝き続けてね」。優しく、微笑みながらかけてくれた励ましの一言に、一人でも多くの女性が社会で輝き続けられるよう、自分のできることから「社会を変える」活動に携わっていきたいとの思いをより一層強くしたのでした。
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