12月1日開催のWAN上野研究室のゼミは書評セッション『1982年生まれ、キム・ジヨン』でした。
参加者のレスポンスカード(レスカ)です。

◆齋藤さん宛て
・韓国の文化・政治状況・文学状況について解説して戴きましたが、知らなかったことが多々ありました。有難うございました。日本近代文学の特殊性が、何となく理解できるような気がしました。
・もう忘れてしまったのですが、韓国の女性はハッキリものが言えているという印象を持ちました。
・韓国の歴史、文化的背景を交えながら、翻訳者自身により興味深い視点も提示戴き大変参考になりました、有難うございました。
・「兵復」「戦時中」という国策が、差別の免罪として機能しないことを祈ります。
・ますます、もっと、韓国の小説を読みたくなりました。
・本書のバックグラウンドのお話(他では聞けないものばかり)がとても興味深く、面白かった。韓国と日本の違いについてもとても初めて知ることが殆どでしたし、お話のすべてがこの小説の理解にとても役立ちました。有難うございました。
・本書の構成についても、お話を聴いて「なーるほど…」と、その必然性が分かった気がしました。
・この本を翻訳して下さったことに深謝しています。メッセージがストレートで、日本の若い女性に読んで貰うには最適だと思います。
・韓国小説、初めて読みました。儒教が、いかに男尊女卑を元に成り立っているか、その上にいかに男性があぐらをかいているか、が垣間見られ、異文化をつくづく感じました。
・日本人女性も、長らく、セクハラも下働き女中待遇も「こんなことで大さわぎするのは『大人げない』」「私が我慢すれば、丸く収まるのだから」という呪縛にとらわれてきましたが、これは、意図的に作られた呪縛だったのではないだろうか。
・一番印象に残ったのは「それで、あなたが失うものは何なの?」←結婚後、しょっちゅう私が抱いた想いでした。初めに旧姓を失った、経済的自立を失った、自分の時間は家事と育児のために失われた、夫が結婚で失ったものは何だろう。専業主婦を持つ夫は、きっと何も失うものがないのではないだろうか。養うことと引き換えに、何一つとして奪われまい、とでも言うが如く。

◆草野さん宛て
・もっとお話、聴きたかったです。個人的にお話下さったおばあさまのこと、お母さまのことが心に響きました。
・「慰安婦問題」は日本の問題も考えなければならない、と改めて思いました。
・「バカな男(夫)」ではなく「男(夫)はバカだ」、日本も韓国も、と思いました。

◆全体
・私が本書を読んで共感したことを私たちの後を歩く女性たちに伝える方法を、彼女たちが受けた理不尽を言語化する方法を考える必要がある、と思いました。
・フェミニズムについて具体的に、実例を交えて語ることが大切であることが分かりました。本書は、フェミニズム入門に良いです!!

第46回 WAN上野ゼミ 書評セッション 『1982年生まれ、キム・ジヨン』