「WAN基金コロナ禍対策女性連帯プロジェクト」では、2020年6月21日、助成第5号として
アジア女性センターに、助成金を振り込みました。
アジア女性センター(AWC)は1997年に設立以来、電話相談や同行支援を通じて、国籍を問わず困難を抱える女性に寄り添ってきています。
英語やタガログ語(フィリピン語)、中国語でも相談を受けてきたため、特に日本語の通じない外国人女性からの相談が多く寄せられ、この22年間で総計約13,900件の相談に対応した実績を持つ団体です。
過去には、日本人夫からのDV被害を訴える外国人女性からの相談が多かったのですが、近年では夫婦共に外国人、また就労のために来日した人や留学生からのDVや生活についての相談が増えてきました。
このような背景の人たちは、日本社会とのつながりが薄く、必要な情報も届きにくい状況にあります。
新型コロナウイルスの感染拡大で、DV被害や児童虐待の増加が懸念され支援体制の拡充や取り組みは官民をあげて行われていますが、在住する外国人も日本人と同様のサービスを享受できるにも関わらず、日本語や日本社会のシステムに不慣れな外国人女性にとっては、それら相談支援にたどり着くまでの情報へのアクセスに関するハードルが高いのが現状なのです。
たとえば、外国人の多くは在留資格に期限があるため、国内で端末の分割購入が認められず、また携帯電話の契約ができない場合もあり、母国から持ち込んだ端末を使い続けている人も多くいるのです。そのため電話回線を介した通話はできず、Wi-Fiを介したインターネット回線でのみ通話しかできないことも多くあります。
したがって、外国人対象の相談を行うには、従来の電話回線を利用した窓口だけでは、アクセスができない人が多くいるのです。
そこで、アジア女性センターでは、
・新型コロナウイルスの影響により、移民女性を含め生活に困窮している女性が、支援にアクセスしやすい相談環境をつくる。
・通話料のかからないツールで、相談者の経済的不安を解消させる。
という二つのことを目的として、
タブレット端末で、LINEアプリを利用し相談事業を始めています。
相談時間は、平日10時~15時。(緊急の場合は、この限りではない。)
対象は、国籍を問わないが女性。DVや離婚、子ども、妊娠、生活困窮等、女性の抱える問題全般について相談を受けることになっています。
当面は、日本語、英語、タガログ語、中国語、韓国語、タイ語での対応とし、他の言語でも相談ができるよう相談員の拡充を目指していき、必要に応じて、関係機関へのつなぎや面接相談、同行支援を行います。
このような活動に対して、WAN基金運営委員会は敬意をもって助成を決定し、迅速に助成金交付を行いました。
WAN基金では、寄付が集まり次第、次々にこのような「しんどい女性を支援する」女性活動団体に対して、 助成を進めていきます。
コロナ禍で苦しむ女性たちへの支援のため、ご寄付のほうもよろしくお願いします。 ご寄付に関してはこちらからどうぞ